キャリアアドバイザーのあなたには、次のような悩みはありませんか?
効果的な推薦状を書くポイントってある?
推薦状のいい例、悪い例が知りたい
効果的な推薦状を書くには、具体的にどうしたらいいの?
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます
- キャリアアドバイザー歴5年以上
- 現役の転職エージェント管理職
- キャリアアドバイザーとしての成約率は50%以上
- 採用担当として、推薦状を”読む側”の立場を経験
あなたの会社にも推薦状のフォーマットはありますよね?
フォーマットに当てはめて推薦文を書くと、どうしても無味乾燥な推薦文になりませんか?
かといって、独自色を出そうとすると文章が整わない。
そんな二重苦がありますよね?
この記事を最後まで読むと、最短の時間で効果的な推薦状が作成できるようになります。
人材紹介会社のキャリアアドバイザーが効果的な推薦状を書く3つのポイント
推薦状作成の3つのポイントは、次の通り。
- 文章の型
- 不安を払拭する
- 期待を最大化する
それぞれ詳しく解説していきます。
【ポイント①】文章の型
まず最初に1つ残念なお知らせです。
推薦状作成には文章作成能力が欠かせません。
そして、文章作成能力を向上させるには時間がかかります。
ただ、朗報としては文章の型を使えば、時間を短縮できます。
文章の型を使うときに重要な要素が、次の2つ。
- 網羅性
- 階層構造
なぜ、重要なのかというと、次の通り。
- 網羅性がない文章→信ぴょう性が低くなる
- 階層構造が崩れた文章→理解されない(読まれない)
もう少し詳しく説明します。
【重要な要素①】網羅性
網羅性を作るときに使える文章の型は”PREP法”です。
PREP法は以下の頭文字を取っています。
- Point:結論
- Reason:根拠
- Example:具体例
- Point:結論
推薦状で特に重要なのが「最初の結論+根拠」の部分です。
網羅性がない文章とは、根拠の薄い文章。
根拠が薄いと、信ぴょう性が低い文章になります。
例えば「積極性がある方です」と書いてあっても、その根拠が書いていない推薦状。
網羅性が低い推薦状を読んだ採用担当者は、次のように感じます。
本当にそうなの…?
疑いの目で推薦状を読むことになります。
【重要な要素②】階層構造
階層構造を作るのに意識すべきなのは”文章全体のピラミッド構造”です。
段落の関係性がどうなっているのかを意識しましょう。
階層構造が崩れた文章は、ぱっと見で理解しづらい。
理解しづらいと、推薦状はそもそも読まれません。
論理構造が崩れた推薦状を読んだ採用担当者は、次のように感じます。
ん?何が言いたいのか、よく分からないな…。
よく分からないから、読み飛ばそう…。
文章の型について、もっと詳しく知りたいという方は、次の2冊を参考にしてください。
私自身もこの2冊の本で、文章の型を身に付けました。
ちなみに、私の部下には必読書に指定しています。
できれば2冊とも読んでほしいところです。
ただ、もし1冊ずつ読むのであれば、あなたが「弱いな…」と思う方から読んでみてください。
- 網羅性:ロジカル・シンキング
- 階層構造:考える技術・書く技術
ただ、正直なところ社会人経験の少ないコンサルタントには内容的に少し難しいです。
そこで、次のような使い方がおすすめ。
本を読む
↓
分かる範囲で実践
↓
読み返す
↓
分かる範囲で実践
(以降、同じ繰り返し)
本の値段は少し高いですが、長期的に文章能力を上げるバイブルになるので、十分元は取れます。
私も今でも読み返しています。
【ポイント②】不安を払拭する
効果的な推薦状を書く2つ目のポイントは、採用担当者の不安を払拭すること。
なぜなら、採用に不安があるうちは採用担当者は内定を出さないから。
これは採用担当者である私自身も同じです。
不安を最小化するためには、ポイントは2つ。
- 不安の予測
- 先読み説明
もう少し説明すると次の通り。
- 不安の予測:採用担当者が応募書類を見たときに感じる不安を予測する
- 先読み説明:想定される不安に対して補足説明をする
”マネジメント経験の不足”という不安を例にとって、具体的なシーンで説明します。
履歴書・職務経歴書を見る限りだと、現職でのマネジメント経験に不足を感じるなぁ…
こんな採用担当者の不安を予測して、次のような推薦文を書く。
応募書類上では、貴社が求めているマネジメント経験年数には満たないため、ご不安を抱かれるのではないかと存じます。
しかし、○○様は部署横断の業務改革プロジェクトリーダーを〇年に渡って務めています。
そのプロジェクト中で、全社の業務フローを効率化し、売上20%増に導く大きな功績を挙げていらっしゃいます。
実績からも、十分なマネジメント能力をお持ちであるとお見受けいたします。
【ポイント③】期待の最大化
不安を払拭するだけでなく、期待を最大化することも重要です。
期待の最大化は、 組織の戦力強化イメージを与えるということです。
具体的には次の3つをアピールします。
- 個人の実績
- カルチャーフィット
- 組織に与える影響
よく「個人の実績」だけをアピールしている推薦状を読みますが、不十分です。
なぜなら、入社して、組織の中で実力を発揮して、初めて採用の成功と言えるからです。
組織に与える影響まで伝えると、採用担当者は採用成功イメージを持てます。
ポイント②の話をまとめます。
一言でいえば次の通り。
- 不安の払しょく=採用のミスマッチイメージを払拭する
- 期待の最大化=組織の戦力強化イメージを与える
デメリットをカバーした上で、メリットをアピールするということです。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
そもそも、採用担当者は推薦状って読むの?書く意味ある?
【答え】最初からは読まない。
なぜなら、採用担当者は、履歴書・職務経歴書を読む前に先入観を持ちたくないから。
つまり、次のように考えるということ。
まずは、自分(自社)の判断軸で選考をしたい
私自身も次の順番で書類選考をしています。
- 履歴書・職務経歴書を読む
- 自分なりにキャリアステップを想像する
- 推薦状を読む
推薦状は一種の”答え合わせ”として読むことが多い。
つまり、推薦状の内容を元に書類選考をNGにすることはほぼない。
ちなみに、推薦状の読み方には2パターンある。
- さらっと読む時
- がっつり読む時
それぞれどんな状態で読むかというと、次の通り。
- さらっと読む時:”答え合わせ”のような感覚(このパターンが多い)
- がっつり読む時:書類選考の判断に迷っている状態
つまり、書類選考の瀬戸際になっているタイミングで推薦状はがっつり読まれる。
だからこそ、推薦状は不安を最小化し、期待を最大化することが重要です。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問も感じますよね?
ポイントは分かったんだけど、具体的な推薦文のイメージが沸かない…
人材紹介会社のキャリアアドバイザーが作る推薦文の良い例、悪い例【フォーマットあり】
まずは、推薦状フォーマットを無料公開しますので、参考にしてください。
推薦状のフォーマット
推薦状フォーマット(スプレッドシートで開きます)
特に重要なポイントは、黄色で色付けをした4か所。
- カルチャーフィット
- 応募ポジションへのマッチ
- 転職背景
- 転職軸
なぜ重要なのかと言うと、採用担当者の印象に直結する部分だから。
つまり、キャリアアドバイザーの所感を採用担当者の所感に転換させている部分。
私もよくここを読みます。
もっとかみ砕いて言うと、採用担当者に「確かにそうだよね」と共感を生み出す部分だということ。
また、採用担当者が懸念を持ちやすいポイントでもある。
この部分を使って、期待の最大化と不安の最小化をしていきます。
イメージの沸きづらい2つのポイントについて、推薦例文を書いておきます。
「カルチャーフィット」の例文
貴社には〇〇なタイプの方が多く、今後は〇〇な方を採用していきたいと伺いました。
〇〇さん(推薦求職者)であれば、貴社の採用趣旨に合致するのではないかと考えております。
なぜなら、現職の中で〇〇プロジェクトに手を挙げ、自ら率先してプロジェクトを引っ張り、〇〇な成果(数値を含めて記載)を収めたご経験をお持ちだからです。
現職担当チーム内においても〇〇な役割を果たされ、上司からは「〇〇」という高い評価も受けていらっしゃいます。
「応募ポジションへのマッチ」の例文
今回の採用ポジションには〇〇な能力を重視されていると伺いました。
〇〇さん(推薦求職者)であれば、貴社の採用趣旨に合致するのではないかと考えております。
なぜなら、現職の中で〇〇な実績 (数値を含めて記載) を上げたご経験をお持ちだからです。
また、今後は本採用ポジションにかかわるメンバーの方々を引っ張っていく活躍も期待できると考えております。
なぜなら、現職において〇〇のマネジメント経験もお持ちであり、強い意欲もお持ちだからです。
ダメな推薦状の例
私自身が採用担当として読む推薦状の中には、”残念な推薦状”も多い。
例えば、以下のような推薦文。
転職回数が多いということは、経験が多いということです。
若いから、やる気があります。
人間関係が退職理由ですが、明るい方です。
またまた~…誇張して書いてますよね?
と思いましたよね?
ところが実際、私が読んだ推薦状です。
これらの推薦状は抽象的で「推薦をする理由」になっていない。
正直な感想を言えば、次の通り。
推薦状を読んだことで、むしろ応募者のイメージが悪くなった…
具体的にダメな理由としては、前述した3つのポイントのどれもできていないから。
- 文章の型→支離滅裂
- 不安を払拭する→不十分
- 期待を最大化する→不十分
これでは求職者がエージェントを使う理由が半減してしまう…。
改めてですが、3つポイントを確認して推薦状を書きましょう。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
もっと書類選考通過率を上げるには、どうしたらいい?
人材紹介会社のキャリアアドバイザーが推薦状で書類選考通過率を上げる2つの動き【フィードバックと補足説明】
ここまでで「良い推薦状」の作り方はわかりましたよね?
ただ、良い推薦状の作り方が分かっても、実際書類選考が通らなければ意味がない。
書類選考通過率を上げるためにやるべきことは、次の2つ。
- フィードバックを受ける【書ける】
- リクルーティングアドバイザーへ補足説明をする【伝わる】
それぞれのポイントを説明していきます。
【動き①】フィードバックを受ける
推薦状を書くポイントが理解できたら、次はひたすら実践。
「推薦状を書く→上司からフィードバックをもらう」
このサイクルを繰り返すことで、推薦状作成スキルがあがっていきます。
自分で作成した文章を読み返すと、こんな感想持つことありますよね?
ん…?何だこの文章は…?
それは、次のような状態になっているから。
- 書いているとき→主観的
- 読み返したとき→客観的
この状態を、上司という”客観”的存在を使うことで作り出します。
上司を使って成長スピードをアップさせましょう。
ただ一方で「フィードバックを受ければいい」というものでもない。
最終的には自己解決できるようになるのが、一番早い。
フィードバックの前後で意識して欲しいポイントは、次の3つ。
- 自己解決してみる
- 課題の整理
- 課題の体系化
これだけだとよく分からないですよね?
3つのポイントを、推薦状を作成する流れの中で解説します。
推薦状を書く
↓
自分で読み返す(=①自己解決してみる)
↓
上司からフィードバックをもらう
↓
フィードバックの意味を考える(=②課題の整理)
↓
フィードバック内容をまとめる(=③課題の体系化)
↓
推薦状を書く
(以下、繰り返し)
このサイクルを繰り返していくことで、徐々に課題は減っていきます。
最終的にはすべて自己解決できるようになる。
そうすると、業務スピードも格段に上がっていきます。
つまり、早く、効果的な推薦状が書けるようになるということ。
【動き②】リクルーティングアドバイザーへ補足説明をする
特に、分業型エージェントの場合の話です。
両面型の場合も関係あるので、参考にしてください。
推薦状の内容を求人企業に伝えるのはリクルーティングアドバイザーの役割。
そこで、リクルーティングアドバイザー(以下、RA)に対して補足説明を行うことが重要になります。
なぜなら、次のように様々なリスクがあるから。
- RAが推薦状を読んでいない
- RAが推薦内容を理解していない
- RAが採用担当者に説明できない
つまり、いくら良い推薦状を作っても、採用担当者に伝わらなければ意味がないということ。
具体的な補足説明は、推薦状の中で特に重要な2つのポイントを再確認する。
この2つのポイントは求人側の情報がキーになる。
- カルチャーフィット
- 応募ポジションへのマッチ
その理由は、次の通り。
- RA:最も関係するポイントだから
- 採用担当者:最も気になるポイントだから
推薦状のその他の部分については、採用担当者が読めば分かる。
逆に言えば、読めば分かるレベルで推薦状を仕上げなければいけないということ。
まとめ:人材紹介会社のキャリアアドバイザーは採用担当者とRAが推薦状を読んだリアクションを想像しよう
今日の内容をまとめます。
推薦状作成の3つのポイントは、次の通り。
- 文章の型
- 不安を払拭する
- 期待を最大化する
推薦状フォーマットの中で、重要なポイントは4か所。
- カルチャーフィット
- 応募ポジションへのマッチ
- 転職背景
- 転職軸
書類選考通過率をさらに上げるためにやるべきことは、次の2つ。
- フィードバックを受ける【書ける】
- リクルーティングアドバイザーへ補足説明をする【伝わる】
ここまで読んでくれたあなたは、理想的な推薦状の書き方を理解できたのではないでしょうか?
となると、推薦状を書く前後に行う業務も気になりませんか?
履歴書・職務経歴書のチェックについても知りたい
というあなたは、こちらを参考にしてください。
面接対策についても知りたい
というあなたは、こちらを参考にしてください。
キャリアアドバイザー業務全般について復習したい
というあなたは、こちらを参考にしてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。