人材紹介に興味を持っているあなたには、こんな悩みがありませんか?
人材紹介業界の市場規模ってどのくらい?
人材業界の中で比べると、どのくらい市場規模の違いがある?
他業界と比較すると、どのくらい 市場規模の違いがある?
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます
- 現役の転職エージェント管理職
- 現職では事業計画策定に必要なマーケット調査を担当
リクルートやビズリーチなどの人材系TVCMや電車広告を大々的にやっているのをよく見ますよね?
そうすると、こんな印象を持ちませんか?
儲かってるんだろうなぁ…
そこで「市場規模って、どの位だか分かりますか?」と聞かれたらピンとこないですよね?
ただ、もし今後人材業界への転職活動をする可能性があるなら必須の知識です。
この記事ではマーケットリサーチ担当の私が、あなたの疑問に答えきます。
人材紹介業界の市場規模は5,874億円【10年で3倍】
人材紹介の市場規模は5,874億円。
(厚生労働省「令和元年度職業紹介事業報告書の集計結果」より)
過年度からの市場規模の推移は次の通り。
平成21年は、リーマンショックの影響を大きく受け昨年対比が大幅マイナスになっています。
それ以降は右肩上がりの成長を続け、10年で3倍、5年で1.6倍の市場規模となっている。
平成30年→令和元年にかけて、成長率が鈍化している点が注目ポイント。
コロナの影響が出たタイミングは令和2年なので、コロナ前に市場成長率が鈍化している。
また、有料職業紹介事業所数についても、リーマンショックの影響以降、右肩上がりとなっています。
具体的には10年で1.4倍になっている。
つまり、儲かる市場だからこそ、参入が増えているということです。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
これからも市場規模は大きくなっていくの?
【答え】景気変動は受けるものの、大きくなる傾向。
なぜなら、転職者数総数と若年層転職率が上昇トレンドだから。
転職者数についての統計データは、次の通り。
統計から見えるポイントは、次の3つ。
- リーマンショックやコロナ禍等の大きな景気悪化直後は、転職者数は落ち込む
- 景気悪化が止まった後、転職者数は回復している
- 20年スパンで傾向をみれば、安定した需要がある
また、コロナ禍直前(令和元年)における若年層”転職率”の上昇トレンドには要注目。
アフターコロナになった場合、若年層の転職率再上昇がマーケット拡大を促す可能性があります。
”総数”を除外したグラフで見ると分かりやすい。
さらに、次のような疑問も感じますよね?
でも、日本の労働人口は減っていくよね?
【答え】確かにその通り。
ただし、それは日本全体(すべての業種)に共通する課題です。
より重要なのは、労働人口が減る中での内訳の部分。
人材業界について内訳をみると「転職者数は増加トレンドにある」ということです。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問も感じますよね?
人材業界の中で比較すると、どのくらいの市場規模の違いがある?
人材業界全体の中で人材紹介の市場規模は3.1%【利益ベースだと11.1%】
人材業界の中で、人材紹介の市場規模は3.1%。
具体的には、次の通り。
- 人材派遣業:7兆9,400億円(前年度比0.9%増)
- 人材紹介業:2,520億円(前年度比18.2%減)
- 再就職支援業:305億円(前年度比23.0%増)
(株式会社矢崎経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査(2021年)」より)
人材業界全体の市場規模は、8兆2,225億円。
人材紹介の市場規模って、意外と小さいんだね…
と思いますよね?
ただし、ここで注意しておかなければいけないのは人材派遣のビジネスモデルの部分。
人材派遣業は他の人材2業種と異なり、売上=利益ではない。
各業態の粗利率の違いをざっくりまとめると次の通り。
- 人材派遣業:平均25%
- 人材紹介業:100%
- 再就職支援業:100%
粗利率とは「売上-原価」。
人材派遣業の主な原価は”派遣スタッフの人件費”になります。
正社員の人件費は各業種共通でかかる費用です。
利益ベースで比較をすると、次の通り。
- 人材派遣業:1兆9,850億円
- 人材紹介業:2,520億円
- 再就職支援業:305億円
依然として人材派遣業のインパクトは大きいものの、人材紹介業のインパクトの大きさが増します。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
求人広告は入れないの?
【答え】入れない方が分かりやすい。
なぜなら、業態が大きく違うから。
ちなみに、2019年の市場規模は7,669億円(前年度比19.5%減)。
(公益社団法人全国求人情報協会「求人情報提供サービス市場規模調査結果」より)
人材紹介の約3倍の市場規模がある。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
他業界と比較すると、どのくらい市場規模の違いがある?
人材紹介業界の市場規模は映画業界とほぼ同じ規模【人材業界>鉄道業界】
人材紹介業界の市場規模(2,520億円)は、映画業界と同規模。
市場規模の近い業界は、次の通り。
- カラオケボックス業界:3,798億円(全国カラオケ事業者協会「カラオケ白書2020」より)
- ミネラルウォーター業界:3080億円(矢野経済研究所「ミネラルウォーター市場に関する調査を実施(2019年)」より)
- 映画業界:2,612億円(日本映画製作者連盟「日本映画産業統計 過去データ一覧表」より)
いずれの業界もtoC中心のビジネスモデルなので、市場規模のイメージが沸きやすいですよね。
映画業界と市場規模が同じくらいって、驚きじゃないですか?
ちなみに、人材業界全体の市場規模(7兆128億円)だと、家電小売業界より大きく、鉄道業界より小さい規模。
求人広告(7,669億円)まで入れると、鉄道業界を上回ります(7兆7,797億円)。
具体的な数値としては、次の通り。
- 住宅リフォーム:6.5兆円(矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2020年)」より)
- モバイルコンテンツ関連:6.8兆円(モバイル・コンテンツ・フォーラム「2019年 モバイルコンテンツ関連市場規模」より)
- 広告:6.9兆円(電通「2019年 日本の広告費」より)
- 家電小売:7.0兆円(GfKジャパン「2019年 家電・IT市場動向」より)
- 鉄道:7.5兆円(国土交通省「鉄道統計年報 各年度(5)-1 損益計算書 鉄軌道業 営業収益」より)
「人材業界=社会のインフラ」だということがよくわかります。
まとめ:人材紹介業界はアフターコロナに注目が集まる成長マーケット
それでは、今日の内容を振り返ります。
人材紹介の市場規模は5,874億円。
10年で3倍、5年で1.6倍の市場規模に成長している。
人材業界の中で、人材紹介の市場規模は3.1%。
具体的には、次の通り。
- 人材派遣業:7兆9,400億円(前年度比0.9%増)
- 人材紹介業:2,520億円(前年度比18.2%減)
- 再就職支援業:305億円(前年度比23.0%増)
人材紹介業界の市場規模(2,520億円)は、映画業界と同規模。
市場規模の近い業界は、次の通り。
- カラオケボックス業界:3,798億円(全国カラオケ事業者協会「カラオケ白書2020」より)
- ミネラルウォーター業界:3080億円(矢野経済研究所「ミネラルウォーター市場に関する調査を実施(2019年)」より)
- 映画業界:2,612億円(日本映画製作者連盟「日本映画産業統計 過去データ一覧表」より)
ここまで記事を読んだあなたなら、人材紹介の市場についてイメージが掴めてきたんじゃないでしょうか?
人材紹介に関する基礎知識をもっと学びたい
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。