【人材業界情報】コロナが事業に与えた影響|JAC Recruitment|2020年1~3月期・四半期報告書/決算短信を解説

現役の転職エージェント

2020年10月20日更新

この記事は、転職エージェントのコンサルタントの次のような悩み疑問を解決するのに役立つ記事になっています。

コンサルタント
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「同業他社は、コロナの影響をどう捉えているんだろう…?」

コンサルタント
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「IR情報みればいいのは分かっているんだけど、情報が多くて読み切れないんだよね…。」

日々の業務で忙しい皆さんに代わって、解説していきます。

IR情報を横断的に徹底解説

業績への影響

事業全体の前年売上対比を見ると、94.9%と大きな影響を感じられません。

セグメント別の売上を見ていくと、特に影響が大きいセグメントは次の通りです。

  • 国内人材紹介事業(前年売上対比:99.7%) のうち
    • 電気・機械・化学業界(前年売上対比:89.8%
    • 消費財・サービス業界(前年売上対比:87.3%
  • 国内求人広告事業(前年売上対比:87.3%
  • 海外事業(前年売上対比:66.4%

逆に、メディカル・医療業界IT・通信業界についてはコロナ禍の状況と連動した業績で推移しています。

 JAC Recruitment「第34期第1四半期報告書」より

金融業界が好調なのは、2020年1月に企業結合を行った「バンテージポイント社」との、よいシナジー効果があるからでしょうか。

 JAC Recruitment「第34期第1四半期報告書」より

影響の原因

当社側の営業活動求人企業側の採用活動の両面で進捗に遅れが目立つようになり、求人数も減少しております。

とあるように、抽象的な表現ではありますが少なからず影響を受けているようです。

大手紹介エージェントのJAC社であっても、従来から在宅勤務の体制があったというわけではなかったのは、意外です。

海外事業については、

当該感染症の影響を国内よりも早期に受け始めた

という事実情報が記載されているのみで、あまり具体的原因に触れられていない点が気になりますね。

日本とは異なる海外特有の懸念やそれに伴う解決策などは、あるのでしょうか。

JAC Recruitment「第34期第1四半期報告書」より

事業の展開状況については、前期の有価証券報告書を見ると、アジア地域を中心に在外連結子会社を持ち、人材紹介事業を中心に展開しているようです。

JAC Recruitment「第33期有価証券報告書」より

業績予想

求職者の入社日遅延に伴う売り上げ計上の遅れ、さらには成約案件の取り消しといった事例も出てきている現状におきましては第2四半期(累計)の連結業績予想を修正せざるを得ず、また、今後に7か月以上を残す通期に関しては一旦未定とさせていただき、合理的な予想が可能となった段階で速やかに開示

JAC Recruitment「2020年12月期第1四半期決算短信」より

ということではあります。

ただ、コロナ禍において”合理的な予想”というのは一体どのような予想なんでしょうか…非常に難しいところですね。

引き続き、続報を確認していきたいと思います。

キャリアアドバイザーの心構え

私のチームメンバーのキャリアアドバイザーにも、入社を控える求職者の方から次のような心配や不安の声をもらうことが多くなってきました。

求職者
求職者

「在宅勤務となった影響で、現職での引継ぎがうまくいかず、転職先への入社日に間に合うかどうか分からない。」

求職者
求職者

「そもそもコロナ禍の今、転職なんてしない方がいいんでしょうか…?」

コロナ禍において”仕事”そのものの概念自体が大きく揺らぎ、言い知れない不安を感じる状況となりました。

このタイミングで転職をする方々にとっては、変動要素の多い中で決断をしなければいけない辛さがあります。

こういった”正解”の見えにくい状況下において相談を受けるキャリアアドバイザーが改めて意識しなければいけないことは次の通りです。

  • 求職者の価値観に焦点を当てる(キャリアアドバイザーの主観は排除する)
  • 悩みの解像度を可能な限り上げる
  • 外的要因と内的要因を仕分けする
  • 悩みの対象が現実的に解決が可能か否かの確認をする

特に、1つ目の”求職者の価値観”がこのタイミングにおいては重要です。

コロナという”感染リスク”という性質上、求職者本人だけでなくご家族の価値観も影響が大きい状況があるからです。

用語解説

コンサルタント
コンサルタント

「有価証券報告書って初めて見るんですけど…。」

という方のため、用語も解説しておきます。

有価証券報告書とは

金融商品取引法で規定されている、事業年度ごとに作成する企業内容の外部への開示資料。

Wikipediaより

次のような株式会社には、各事業年度終了後、3か月以内の金融庁への提出が義務づけられている。

・金融商品取引所(証券取引所)に株式公開している会社

・店頭登録している株式の発行会社

・有価証券届出書提出会社

Wikipediaより

四半期報告書とは

事業年度を三か月毎(四半期)に区切って、前事業年度の有価証券報告書と比較して変動があった情報を開示する

Wikipediaより

決算短信とは

株式を証券取引所に上場している企業が、証券取引所の適時開示ルールに則り決算発表時に作成・提出する、共通形式の決算速報。

証券取引所の自主規制に基づく開示。

Wikipediaより

他の人材紹介会社のIR情報も気になるという方は

こちらも併せて参考にしてみてください。

パーソルHD

リクルートHD

それでは!

たくの

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