キャリアアドバイザーのあなたは、次のような悩みがありませんか?
面接対策って、やり方を教えてもらったことがないんだよね…
面接通過率を改善したいんだけど、面接対策のどこが悪いのか分からない
面接対策で求職者からの質問に答えられないことが多い
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます
「基本的な面接対策」というと、どうしても「ビジネスマナー」のようなありふれた内容になりがちですよね?
求職者の反応としても、次のようなものになります。
新卒じゃあるまいし、そんなこと知ってるよ…
私もノウハウがない中で、面接対策をやっていた頃は同じように苦しみました。
この記事では、私の経験してきたことを元に面接対策の基礎をお伝えします。
基礎とは言いながら、面接対策全体の中で重要度の高い内容となっています。
キャリアアドバイザーの行う面接対策の全体像
まず、面接対策の全体像は、次の4つのポイントに分かれています。
- 基本的応対の対策 ←今日の話はここ!
- 個別企業情報の対策
- キャリアの整理
- コミュニケーション指導
面接対策の全体像の方が、気になるな…
という方は、こちらの記事を参考にしてください。
≫【面接通過率アップ】キャリアアドバイザーが行う面接対策3つのポイント|面接準備シートを無料公開
この記事では、全体像のうち”基本的応対の対策”の部分について解説していきます。
キャリアアドバイザーの行う面接対策の第一歩|4つの基本的応対
基本的応対4つの対策内容は以下の通りです。
- 【対策①】ビジネスマナー
- 【対策②】自己紹介
- 【対策③】職務経歴の説明
- 【対策④】質疑応答
それぞれの項目を以下に詳しく解説していきます。
【対策①】ビジネスマナー
ビジネスマナーについては、社会一般的なマナーとして、次のような項目があります。
- 入室時のノックの仕方
- 挨拶の仕方
- 表情の作り方
- 履歴書・職務経歴書の渡し方
- 履歴書・職務経歴書を渡すタイミング
ただ、これらの項目は「採用・不採用」を決定づけるような内容ではありません。
社内の情報やネット上にもある情報で十分です。
選考結果に対して影響の大きいポイントを押さえましょう。
ポイントは、次の2つです。
- 【ポイント①】”ありのままマインド”の防止
- 【ポイント②】不採用例の情報共有
それぞれ解説していきます。
【ポイント①】”ありのままマインド”の防止
”ありのままマインド”は私の造語です。
求職者のこんな思考を意味しています。
面接で”取り繕った自分”を見てもらっても、本来の自分とギャップがあったら困る
普段通りの自分で臨んだ方がいんじゃないか…
この考え方は、かなり危険です。
確かに「過度な緊張をしない」ことは大切です。
ただ、応募先が求めているのは”ビジネスパーソン”としての人物像。
”プライベート”面の人物像を求めているわけではありません。
「仕事に”本来の自分”で行く」ということは、「私服で仕事に行く」ようなものです。
”ありのままマインド”で面接に臨むと、ビジネスマナーを通り越してしまうことがあるので、要注意です。
具体的には、面接後に求職者からこんなリアクションにならないように注意喚起をします。
面接でフランクに話しすぎちゃいました!
面接で油断して色々プライベートなことまで話しすぎちゃった!
特に、「面接のうまい採用担当者」との面接には要注意です。
プライベートな面を自然な流れで引き出してきます。
事前に情報を伝えておきましょう。
私が面接官の時にも、こんな風に思うことがあります。
私が質問したんだけど、…そこまで答えちゃうかぁ…
【ポイント②】不採用例の情報共有
不採用例とは、ビジネスマナーが理由で不採用となった実例のことです。
不採用例から、選考企業独特の文化や選考の傾向が見えてきます。
一例を挙げると下記のようなものがあります。
- 入り口で靴を揃えられなかった
- 応接対応をした事務員にお礼が言えなかった
- 何も言わずに先にお茶に口を付けた
これらは私自身が聞いた実例です。
そんなことで…
と思うようなことでも、それが現実です。
不採用例のアドバイスをするためには、前提として2つの業務フローが必要です。
- 不採用の理由を採用担当者に確認
- 不採用の理由を情報集約する
面接対策をするに当たって重要な情報です。
2つの業務フローを点検しておきましょう。
【対策②】自己紹介
自己紹介では、次の2つ項目の確認をしましょう。
- 定義
- 所要時間
なぜかというと、面接の中で「求職者に求められているもの」が最もあいまいなのが自己紹介だからです。
求められているものが分からない状況で自己紹介をすると、面接官の印象を悪くしてしまいます。
具体的に言えば、次のような印象を受ける状況です。
学歴の話をそんな長く話されてもな…
職歴の話は後で詳しく聞こうと思ってたんだけどな…
自己紹介長いな…
一般的に自己紹介は、次の内容を指すことが多いです。
面接冒頭で3~5分程度での説明を求められる、大学卒業後から現在に至るまでの職歴概要
ただ、自己紹介は会社によって求めるものがまちまち、ということころに難しさがあります。
また、面接冒頭で緊張感も一番高いタイミングで、焦りもあります。
だからこそ、話し始める前に”何を求められているのか”をはっきりさせることが重要です。
- 定義:「何を求められているのか」
- 所要時間:「どれくらいの長さでしゃべればいいのか」
【対策③】職務経歴の説明
職務経歴の説明において重要なポイントは、下記の3点です。
- 【ポイント①】客観的なデータ
- 【ポイント②】相対的な数値比較
- 【ポイント③】数値の背景
ややこしそうな漢字が並んでて、読むと吐き気がする…
と思いますよね?笑
丁寧に解説していきますので、安心してください。
それでは、各ポイントを詳しく説明していきます。
【ポイント①】客観的なデータ
客観的なデータというのは、次の2つの条件を満たす数値のことです。
- 恣意性のないデータ
- 数値データ
それぞれの条件を解説していきます。
【条件①】恣意性のないデータ
”恣意性”のないデータとは、求職者にとって都合のいいデータの取り方になっていないということです。
なぜよくないかというと、面接官の印象がよくないからです。
例えば、次のような面接のやりとりです。
新規の求人受注率は100%で、求人開拓が得意です!
では、アポイント率や成約率はどうでしたか?
実は、どちらも数値としてはよくないです…
それ、最初から言ってほしかったな…
いい部分だけ切り取って伝えたってことか…
という悪印象を持たれてしまいます。
この場合、ポジティブな数値もネガティブな数値も恣意性なく説明する方がベターです。
【条件②】数値データ
職務経歴の説明では、可能な限り数値データを元に話をすることが重要です。
なぜなら、数値データを元に話さないと、求職者と面接官の間に”解釈の余地”が入ってしまうからです。
例えば、次のようなやりとりです。
営業トップクラスの成績でした
”トップクラス”というのは何位ですか?
”トップクラス”というのは、部単位ですか?課単位ですか?チーム単位ですか?
チームで3位です…
それって、トップクラスとは言えなくないか…?
という悪印象を持たれてしまいます。
【ポイント②】相対的な数値比較
相対的な数値比較とは、次のような単位で比較した数値のことです。
- チーム
- 部署
- 会社全体
- 業界全体
つまり、個人単位で捉えた”ミクロ数値”から”マクロ数値”に捉え方を広げていく、ということです。
数値をマクロで捉えて話すことができると、採用担当者の”採用に踏み切る根拠”を明確にできます。
両方のケースの具体的な面接のシーンを取り上げます。
新規営業が得意で、年20社の新規顧客との契約獲得をしました!
そのうち何件が成約に結び付いたんだろう…
その成績は社内全体としては、どの程度の成果なんだろう…
というように、採用する根拠が不明確になります。
新規営業が得意で、年20社の新規顧客との契約獲得をし、そのうちの18社は成約に至りましたました!いずれの数値も全社トップです!
現職のコンサルタントの人数は何人くらいですか?
現在〇人で、貴社と同じくらいの人数です。ですので、貴社にも貢献できるのではないかと考えています!
それなら、うちでも活躍できそうだ!
と採用する根拠が明確になります。
特に、求人企業の採用担当者と採用決裁者が別の場合には重要です。
なぜなら、社内的な説明をする上で2つのデータを利用するからです。
- 客観的なデータ
- 相対的な数値比較
登場人物が多くなってきて、イメージしづらいですよね?
もう少し具体的に説明します。
求人企業内の採用担当者と採用決裁者と間で、次のようなやり取りがされます。
この方は、○○(客観的数値)な成果を残していて、うちでもよいパフォーマンスを出せるはずなので採用すべきです。
現職って○○会社でしょ?あそこって、うちよりかなり規模小さいけど大丈夫?
はい、確かに現職の企業規模は小さいですが、社内ではトップセールスです。
うちのミドルクラスのレベルと比べればパフォーマンスに遜色ありませんので、マネージャー候補のポジションで採用すべきです。
という流れです。
この会話の基礎には2つの要素が入っています。
- 客観的なデータ
- 相対的な数値比較
【ポイント③】数値の背景
数値の背景の説明が重要なシーンは、ネガティブな数値について説明をするときです。
具体的には、次の3項目を説明するようにアドバイスします。
- 失敗要因(内部要因・外部要因)
- 改善策
- 改善結果
なぜ説明する必要があるのかというと、面接官がネガティブな数値を見たときの視点が理由です。
つまり、”ネガティブな結果のみ”を見ているわけではないということ。
”ネガティブな結果に対してどう向き合ったか”を見ています。
なぜなら、”向き合い方”には入社後の再現性があるからです。
特に、次のような外部要因でうまくいかなかった時です。
- 景気の影響
- 経営状態の影響
- 組織の影響
「どう向き合ったか」に共感をしてもらえれば、ポジティブに理解してもらえます。
重要なことは、いかに自分自身でのPDCAを回して行動してきたかということです。
【対策④】質疑応答
質疑応答には、2つの切り口があります。
- 企業側からの質問
- 求職者側からの質問
企業側からの質問には、次の6つのポイントに注意して準備しましょう。
- 対の質問
- 入社可能時期についての質問
- 他社選考状況についての質問
- 機密情報に触れる質問
- 質問履歴情報の確認
- PREP法を使う
求職者側からの質問の準備をする際は、次の4つのポイントに気を付けましょう。
- 質問項目は5つ以上準備する
- 条件質問を避ける
- 自己アピールをしない
- ”枕詞”を使う
それぞれの詳しい解説については、こちらを参考にしてください。
≫【キャリアアドバイザー必見】面接の質疑応答への準備10のポイント
まとめ:キャリアアドバイザーが行う面接対策の基礎は「採用担当者の視点」
本日のまとめをしていきます。
面接対策は大きく分けて次の4つのポイントに分かれています。
- 基本的応対の対策 ←今日の話はここ!
- 個別企業情報の対策
- キャリアの整理
- コミュニケーション指導
基本的応対4つの対策内容は、次の通りです。
- 【対策①】ビジネスマナー
- 【対策②】自己紹介
- 【対策③】職務経歴の説明
- 【対策④】質疑応答
ビジネスマナーで押さえてほしいポイントは、次の2つです。
- 【ポイント①】”ありのままマインド”の防止
- 【ポイント②】不採用例の情報共有
自己紹介では、次の2つ項目の確認をしましょう。
- 定義
- 所要時間
職務経歴の説明において重要なポイントは、下記の3点です。
- 【ポイント①】客観的なデータ
- 【ポイント②】相対的な数値比較
- 【ポイント③】数値の背景
質疑応答には、2つの切り口があります。
- 企業側からの質問
- 求職者側からの質問
企業側からの質問には、次の6つのポイントに注意して準備しましょう。
- 対の質問
- 入社可能時期についての質問
- 他社選考状況についての質問
- 機密情報に触れる質問
- 質問履歴情報の確認
- PREP法を使う
求職者側からの質問の準備をする際は、次の4つのポイントに気を付けましょう。
- 質問項目は5つ以上準備する
- 条件質問を避ける
- 自己アピールをしない
- ”枕詞”を使う
それぞれの詳しい解説については、こちらを参考にしてください。
≫【キャリアアドバイザー必見】面接の質疑応答への準備10のポイント
ここまで読んだあなたは、面接対策の基本をイメージできるようになってのではないでしょうか?
そうなると、次のように思いますよね?
基本的な応対については理解できたから、面接対策全体についてチェックしていきたい!
という方は、こちらの記事を読んでみてください。
≫【面接通過率アップ】キャリアアドバイザーが行う面接対策3つのポイント|面接準備シートを無料公開
改めて、キャリアアドバイザー業務全体の流れも復習しておきたいな…
というあなたは、こちらの記事を参考にしてください。
≫【成約率50%超の私が教える】キャリアアドバイザー業務のノウハウ|売上を伸ばすコツを11ステップで徹底解説
最後までご覧いただき、ありがとうございました。