リクルーティングアドバイザーのあなたには、こんな悩みはありませんか?
求人ヒアリングはしたんだけど、どうも内容がしっくりこない…
採用担当者の口が重くて、情報が聞きだせない…
採用担当者の話が長すぎて、肝心な情報が聞きだせない…
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます
求人ヒアリングがフワッとしていると、なかなか成約数が伸びないですよね?
その理由は、求人条件に左右されやすい状態だから。
つまり、次のような状態。
- 条件のいい求人→成約できる
- 条件の悪い求人→成約できない
求人の本質的な理解ができていれば、この状態から脱することができる。
本質的な理解には、能動的なヒアリングが必要です。
能動的なヒアリングができていれば、条件に左右されず、成約の可能性を上げることができる。
この記事では、効果的な求人ヒアリングの方法を解説していきます。
人材紹介営業が深い求人ヒアリングを行う3つの極意
3つの極意とは、次の通り。
- 【極意①】時系列を意識してヒアリングをする
- 【極意②】求職者視点でヒアリングをする
- 【極意③】採用担当者との関係性をマインドシフトする
それぞれ、詳しく解説していきます。
【極意①】時系列を意識してヒアリングをする
意識する時系列の流れは、次の通り。
- 現在
- 将来
- 過去
- 現在
通常の時系列の流れである”過去→現在→将来”にはなっていない。
なぜこの順番なのかというと、求職者が聞きたい情報を中心にヒアリングすべきだから。
つまり、求職者は”現在”から”将来”に渡る話に最も関心が高いということ。
関心が高い情報に対して、情報が蓄積されていれば、求人応募率が上がる。
各項目のポイントを解説していきます。
①現在
2種類の”現在”に対するヒアリングは、それぞれ次の意味合いがある。
- ①の”現在”=条件ヒアリング
- ④の”現在”=答え合わせ
①の現在では、主にヒアリングシートの次の部分に対してヒアリングをする。
- 企業概要
- 求人内容
- 待遇
- 組織構成
ヒアリングシートの内容を確認しておきたい方は、こちらからどうぞ。
≫人材紹介営業が”商談前”にする準備3ステップ【求人ヒアリングシートを活用する整理術】
④の現在については、後述します。
②将来
将来の情報は、会社の戦略・戦術に関する情報。
次のように、理念から計画へとブレイクダウンしていく情報の流れを整理していく。
理念・ビジョン
↓
中期経営計画
↓
事業計画
↓
売上計画
↓
採用計画
具体的には、ヒアリングシートの”⑥事業”の部分が該当する。
≫人材紹介営業が”商談前”にする準備3ステップ【求人ヒアリングシートを活用する整理術】
ここでのポイントは、計画が及ぼすメリット・メリットについてもヒアリングをするということ。
なぜなら、求職者が応募を決断するための材料が増えるから。
つまり、現在の事実情報だけでなく、将来の変化の方向性が分かることで、応募をしてもらいやすくなるということ。
”残業時間”を例にとって説明すると、次の通り。
今後、経営計画が進んでいくにつれて、社員には具体的にどんなメリットがありますか?
○○というビジョンを実現するため、今後働き方改革によって、従業員満足度を上げていきます。
その一つの取り組みとして、〇月までに月当たり平均残業時間を〇時間まで削減することを予定しています。
逆に、どんなデメリットがありますか?
システムを導入して、より効率のいい働き方を目指していくので、ITリテラシーが低い社員は少し苦労するかもしれません…。
③過去
過去の情報とは、次の2点。
- 事業の経緯
- 採用の背景
ざっくり言うと、今まで会社がどのような道を歩んできたのかを知るということ。
なぜ過去の情報が重要なのかと言うと、現在の情報の信ぴょう性が増すから。
例えば、パートナーを選ぶとき、どのような過去を歩んできたかが気になりますよね?
いやいや、私は過去にこだわらない主義です!
というは、そっと自分の胸にしまっておいてください笑
具体的には、ヒアリングシートの”⑥事業”の部分が該当します。
≫人材紹介営業が”商談前”にする準備3ステップ【求人ヒアリングシートを活用する整理術】
事業の経緯についてのヒアリング項目は、次の2つ。
- 創業の経緯
- 経営の経緯
これが理解できると、次のような効果がある。
- 創業の経緯→会社に対する思いが理解できる
- 経営の経緯→事業に対する思いが理解できる
採用の背景については、募集背景と採用進捗状況を確認する。
募集背景は、次の3点を確認する。
- 採用理由(欠員募集or追加採用)
- 退職理由(直近1年間)
- 採用期限(離職者の状況)
採用進捗状況は、次の3点を確認する。
- 現在の選考段階
- 採用ができていない原因(不合格・選考辞退の理由)
- 応募・推薦状況
ここで注意すべきポイントは、採用活動をしてきた分だけ”企業・担当者特有の思考クセ”があるということ。
ここを見抜けないと表面的な提案に終わり、成果につながらない。
例えば、次のような”こだわり”は、求人ヒアリングの場でよく出てくる。
今まで○○業界出身者は、すぐ辞めちゃったから嫌なんだよね…。
ここで必ず確認すべきは”採用決裁権者”の思考のクセ。
仮に、採用決裁権者が社長だとすると、次のようにヒアリングをする。
ちなみに、社長は出身業界についてのこだわりってありますか?
社長は特にこだわりないけどね…。
分かりました。
では、逆に〇〇業界出身の方で、定着している方ってどんな特徴がありますか?
積極的にプロジェクトに手を上げるタイプの方かな…。
分かりました。
では、そういったタイプの方をご提案しますね。
確かに、それならありかな!
④現在
④の現在では、2種類の求職者提案を行い、情報の振り返りを行う。
具体的には、次の2種類。
- 実際の求職者を想定した提案
- 仮定の求職者を設定した提案
実際の求職者を想定した提案は、商談前に準備をした”求職者のラフサーチ”情報を活用して行う。
ラフサーチの仕方について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
≫人材紹介営業が”商談前”にする準備3ステップ【求人ヒアリングシートを活用する整理術】
なぜ、実際の求職者を想定した提案をすべきなのかというと、最後まで円滑にヒアリングをしきるため。
もし提案がないと、採用担当者は次のような疑いを持つ。
色々質問されたけど、本当に推薦できる求職者っているの?
不信感が生まれると、それ以上話が深まらなくなる。
次の”仮定の求職者を設定した提案”が、ここまでの最重要ポイント。
なぜなら、採用ターゲットの答え合わせになるから。
具体的には、次の2パターンで仮定を置いて、答え合わせをしていく。
- ”過去”から”現在”の採用ターゲットを仮定する
- ”将来”から”現在”の採用ターゲットを仮定する
仮定の置き方のポイントは、違和感が残る部分に置くこと。
なぜなら、違和感が解消されることで、明確な採用イメージが沸いてくるから。
”過去”から”現在”の採用ターゲットで、具体例を挙げます。
改めて確認ですが、採用ターゲットとしては『経験が2~3年ある若手』ですよね?(現在)
ただ、今までのメンバーの離職理由が、マネージャーの方にあるんですよね?(過去)
ちなみに、マネージャークラスを採用して根本課題を解決をするという選択肢はないんですか?(現在)
【極意②】求職者視点でのヒアリング
求人ヒアリングを行っていて、採用担当者にこんなことを言われた経験ありますよね?
その質問には、答えられません。
こういった場合、求職者視点のヒアリングが不足している。
求職者視点のヒアリングとは、”求職者が聞いている”ということが伝わるヒアリング。
つまり、あなたがする質問は、本質的には”あなたが聞きたい”わけではないということ。
なぜ、求職者視点が大事なのかというと、採用担当者とあなたの目的を揃えることができるから。
商談をしていると、どうしても”エージェント対求人企業”という構図になる。
しかし、2社はあくまで”採用成功”という同じ目的に向かって進んでいるはず。
求職者視点でヒアリングすることで、ここを明確にできる。
この意図を採用担当者に伝えるためには、質問の仕方が重要となる。
具体的には、次の通り。
○○の採用条件について、教えてください。
この聞き方だと、”あなたが聞いている”質問になっている。
○○の採用条件は、求職者の方がとても気になる部分だと思います。
いつも面接では、どのように説明して理解を得ていますか?
このように、”あなた対採用担当者”ではなく、”求職者対採用担当者”の構図になるように質問をする。
そうすることで、採用担当者にとって質問が”自分事”になる。
自分事となれば、回答がもらいやすくなる。
【極意③】”対等な採用パートナー”というマインドシフト
”お客様は神様”的な接待マインドからは、今すぐに脱しましょう。
ここは、精神論です笑
ただ、一番大事な部分でもある。
あなたは採用担当者にとって”対等な採用パートナー”でなくてはいけない。
なぜなら、”上下関係”になると、採用担当者から重要な情報を引き出せないから。
あなたがヒアリングしようする求人・企業情報には、多くの機密情報が含まれる。
そんな中、あなたと採用担当者の関係性が”上下関係”だと、機密情報を渡す割合は低くなる。
だから、採用担当者との関係性は”対等な採用パートナー”でなくてはいけない。
そのためには、クライアントと同じ情報量を持つことが重要。
つまり、同じ土俵に立っている状態を作る必要がある。
なぜなら、同じ情報量を持つ=同じ言語で話せる状態になるから。
ただ、現実的には社外にいるあなたが、採用担当者と同じ情報量を持つことは難しい。
だからこそ、求人ヒアリングの事前準備における”企業情報の徹底サーチ”が大事になる。
徹底サーチをすることで、採用担当者の持つ情報量に近づけることができる。
そうすることで、対等な立ち位置を確保しやすくなる。
ちなみに、企業情報サーチを十分に行っておくと、意外に「相手のことを相手以上に知っている」という状態が作れる。
なぜなら、採用業務だけをやっている採用担当者は、少数派だから。
まして、IR情報がすべて頭に入っている採用担当者は稀。
当たり前のことを着実にやることが重要。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
もし、全然しゃべってくれないタイプの採用担当者だったら、どうしたらいい?
人材紹介営業の求人ヒアリングつまづきポイント【①口が重い編】
採用担当者の口が重い場合の対処法は、次の3つ。
- 【対処法①】質問主体を変える
- 【対処法②】窓口を変える
- 【対処法③】ターゲットを変える
【対処法①】質問主体を変える
質問主体を変えるとは、前述した”求職者視点でのヒアリング”をさらに具体的に進めていくこと。
復習します。
求職者視点のヒアリングとは”求職者が聞いている”ということが伝わるヒアリング。
つまり、あなたがする質問が、本質的には”あなたが聞きたい”わけではないということ。
具体的には、求職者からの質問の具体例を出していく流れ。
具体例で聞いていくことによって、あなたと採用担当者が同じ目的を持っていることが整理される。
具体例をあげると、次の通り。
先日、御社に興味を持っている求職者から「○○」という質問があったんですが、どのように伝えたらよいでしょうか?
先日、御社の採用ターゲットと近い企業さんに対して、求職者から「○○」という質問があったんです。
御社の場合は、どのように答えますか?
【対処法②】窓口を変える
情報収集の窓口を変えるには、より上流の採用決定権者に会う必要がある。
そのためには、面接への同席の機会を作ってコンタクトをする。
なぜなら、単に「会わせてください」と伝えても、採用担当者としては応じるメリットがないから。
窓口を変えるメリットは、次の3つ。
- 多くの情報が得られる
- 信ぴょう性の高い情報が得られる
- 組織理解が進む
これらのメリットがあると、求職者から応募頂ける可能性が高まる。
一方で、デメリットもある。
それは、面接同席には時間かかるということ。
すべての求人企業に実施することは現実的ではない。
なので、求人企業の注力度に応じて実施することが必要。
【対処法③】ターゲットを変える
簡単に言えば、”戦略的に諦める”ということ。
つまり、取捨選択をするということ。
なぜなら、リクルーティングアドバイザーであるあなたは、成果を上げなくてはいけないから。
成果を上げるには、最も採用可能性の高い求人企業を選定しなくてはいけない。
選定をする条件は”BANT条件”に当てはめて考える。
- Budget:予算
- Authority:決裁権
- Needs:必要性
- Timeframe:導入時期
採用に落とし込んで、具体的に言えば次の通り。
- Budget:採用予算はあるか?
- Authority:採用決定権者の意向は確認できてるか?
- Needs:採用の背景は何か?
- Timeframe:いつまでに採用したいか?
上記2つの対処法の効果が薄い場合は、戦略的に諦めましょう。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
逆に、求人とは関係ない話が多すぎて、肝心の話が聞けない場合はどうしたらいい?
人材紹介営業の求人ヒアリングつまづきポイント【②話が長い編】
肝心な話が聞けないケースでは、次の3段階の対応をする。
- 【第1段階】採用意欲の確認
- 【第2段階】ヒアリング項目の切り替え
- 【第3段階】ヒアリング機会の切り替え
【第1段階】採用意欲の確認
まず、採用意欲を見極めるための質問を行うことに集中する。
なぜなら、最も恐ろしいのは、成果に結びつかない事だから。
つまり、”実はそもそも採用する気はあまりない”というケース。
具体的には、BANT条件の4項目を切り口とした質問をしていく。
- Budget:採用予算はあるか?
- Authority:採用決定権者の意向は確認できてるか?
- Needs:採用の背景は何か?
- Timeframe:いつまでに採用したいのか?
ただし、いきなりBANT条件の質問に切り替えると、無理矢理感がでる。
BANT条件の質問の前に、次のようなクッション質問を挟むと、流れが自然になる。
ちなみに…今回お声がけ頂いたわけなんですが、私はどんなことでお役に立てそうでしょうか?
【第2段階】ヒアリング項目の切り替え
こちらの思いをすべて話しておきたい!
こういったタイプの採用担当者だと、ヒアリング時間が膨大になる。
こういった場合、次の2段階でヒアリングをしていく。
- 話題が逸れてしまった瞬間、関連するヒアリング項目に話題を切り替える
- 深堀りができていない項目に戻って、再ヒアリング
なぜなら、話のつながりを保ったまま、効率的かつ深いヒアリングができるから。
この時のポイントは、ヒアリング項目の横のつながりを意識すること。
つまり、”大項目に固執せずにヒアリングする”ということ。
組織構成の項目を聞いている時を例にとると、次のような流れ。
○○部門の課長が2名で、係長が1名なんですね。
○○部門は人数が少なくてねぇ。
それに比べて○○部門は…
(永遠続く)
なるほど!
色んな部署についての現状を教えて頂いてありがとうございす。
ちなみに、先ほど気になったのですが、課長さんって面接に入ることってありますか?
課長さんが嫌いなタイプってどういう方ですか?
上記では、定量的な情報確認から、定性的な情報確認に切り替えながらヒアリングする流れ。
これは様々なパターンで応用できる。
【第3段階】ヒアリング機会の切り替え
ヒアリング機会の切り替えとは、後日再商談をするということ。
ただし、再商談をする前提条件は、次の2つ。
- 収益インパクトが大きいこと
- 成約可能性が高いこと
この2つの条件を満たすかどうかの基準は、やはりBANT条件になる。
なので、BANT条件の確認は必須。
前提条件があった上であれば、再商談を行うことは有効打になる。
なぜなら、拡散したヒアリング項目、ヒアリング内容が整理されるから。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
何度も商談するなんて、効率悪くない?
【答え】前提条件があるから、効率より効果を重視する
あなたが「この求人企業なら2社分の収益を得られる」と判断した企業であれば、ヒアリング時間が倍かかろうと問題ではない、ということ。
薄いヒアリングを2社行うよりも、濃いヒアリングを1社行う方が成約確立は高まる。
まとめ:人材紹介営業の求人ヒアリングは総合格闘技【戦うべき時にとことん戦う】
本日のまとめをしていきます。
求人ヒアリングを行うための3つの極意とは、次の通り。
- 【極意①】時系列を意識してヒアリングをする
- 【極意②】求職者視点でヒアリングをする
- 【極意③】採用担当者との関係性をマインドシフトする
採用担当者の口が重い場合の対処法は、次の3つ。
- 【対処法①】質問主体を変える
- 【対処法②】窓口を変える
- 【対処法③】ターゲットを変える
肝心な話が聞けないケースでは、次の3段階の対応をする。
- 【第1段階】採用意欲の確認
- 【第2段階】ヒアリング項目の切り替え
- 【第3段階】ヒアリング機会の切り替え
ここまで読んだあなたは、きっと求人ヒアリングの成功イメージがつかめたはず。
ただ、ヒアリング中に採用担当者から聞かれるこんな質問に困ることありますよね?
これって法律的に問題ない?
”法律”って苦手…
というあなたは、次の2つの記事を読んでみてください。
求人に関して押さえておくべき法律について、優しく解説しています。
リクルーティングアドバイザー業務全般について、もっと復習したい
というあなたは、こちらも参考にしてください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。