リクルーティングアドバイザーのあなたは、次のような悩みを抱えていませんか?
書類選考の通過率が悪いんだけど、どこに問題があるのかが分からない…
正直、推薦の時って「ただ応募書類を送る」ことしかしていない
採用ターゲット外の人材を推薦して怒られたことがある
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます
この求職者は書類選考通るかな…?
と悩むこと、よくありますよね?
採用担当者に聞けばいいんだけど、遠慮してしまう…
正直、確認するのが面倒…
そんな葛藤ありますよね?
過去の私もそうでした。
ただ、ここをハショると成果につながりません。
なぜなら、書類選考通過率が上がらないからです。
この記事を最後まで読むと、書類選考通過率を上げるために求職者推薦前にすべきことが分かります。
リクルーティングアドバイザーが書類選考通過率アップのために推薦前に行う3ステップ
理想的な推薦前の手順は、下記3ステップです。
- 【ステップ①】採用懸念をピックアップ
- 【ステップ②】採用懸念の払しょく
- 【ステップ③】選考時間の調整をする
大前提として、対応の”順番”を理解しておきましょう。
意外と誤解している人が多い部分です。
やってしまいがちな間違いは次の通り。
メールを送ったので、推薦書類を見ておいてください!
こんな風に電話をかける人がいますが、意味がないのでやめましょう。
なぜなら、メールは見れば分かるから。
3ステップを継続して実施していくことで、採用担当者との「理想的な関係性」を築くことができます。
採用担当者から次のように言われるような関係性です。
○○さん(あなた)は、うちよりもうちのことを分かってくれている
業務上のメリットとしては、次のような心理状態をつくれます。
○○さん(あなた)がそこまで言うなら、書類選考くらいは通しておくか…
この状況を作るには、信頼関係を積み上げていくことが必要です。
そのために、推薦前の3ステップを繰り返し実践していきます。
特に「微妙なゾーン」の求職者を提案していく際に重要です。
このゾーンの書類選考通過率を最大化することが重要です。
その理由は、次の通り。
- どストライクゾーン →ほぼ通過する
- 微妙ゾーン →通過率を最大化する
- ターゲット外 →ほぼ通過しない
それでは、各ステップを具体的に解説してきます。
【ステップ①】採用懸念のピックアップ
ステップ①は、まだ採用担当者に対するアクションは起こしません。
リクルーティングアドバイザーが推薦のための準備をする段階です。
具体的には、次の2段階で準備をします。
- ①採用懸念を設定する
- ②採用懸念に対する想定をする
ここで、あなたは次のような疑問を感じますよね?
懸念がなかったらどうするの?
【答え】そのまま【ステップ③】に進みましょう。
「どストライク」なゾーンの求職者の場合ですね。
手を加えなくとも、書類選考は通過するはずです。
懸念のある場合にする2段階の準備内容を、それぞれ説明していきます。
①採用懸念を設定する
採用懸念の設定は、求人ヒアリングのときに優先度の高かった項目と比較して決めます。
求人企業が持つ採用懸念は、次の3つが代表的です。
- 年齢
- 資格
- 経験
ただし、業界や職種によって異なってきます。
例えば、営業職であれば”資格”ではなく、”営業成績”に置き換えて考えます。
②採用懸念に対する想定をする
採用懸念に対して、具体的に想定していきます。
想定する内容は次の3つ。
- 懸念内容
- 懸念理由
- 懸念背景
”年齢”を例にとって説明します。
懸念内容の想定とは、次のようなイメージ。
この求職者を推薦すると、企業側から「求めている年齢よりも高いな」と懸念されるだろうな
と想定をしておくということです。
理由、背景の想定は、次のようなイメージ。
採用部門のマネージャーが36歳の方だから、今回推薦する37歳の方は「組織人員バランス」の面から懸念されるだろうな
と想定をしておくということです。
ただ、次のような状態になる場合もありますよね?
求人企業がどんな懸念を持つのか、想定できない…
求人企業の持つ懸念がどんな理由なのか、分からない…
その原因は、求人ヒアリングの不足です。
特に「求人の背景」が確認できていない可能性が高いです。
再ヒアリングを行ってみましょう。
ちょっと何言ってるか分からない…
というあなたは、こちらの記事を参考にしてください。
≫人材紹介営業が”商談前”にする準備3ステップ【求人ヒアリングシートを活用する整理術】
【ステップ②】採用懸念の払しょく
【ステップ①】で採用懸念をピックアップしました。
懸念払しょくをする情報を次の3ステップで採用担当者に提供します。
- ①採用状況の再確認
- ②採用懸念を伝える
- ③採用懸念のフォローアップ
いきなり「②採用懸念を伝える」から行うのはNGです。
その理由は、次の2つの状況になるのを避けるためです。
- 採用懸念を伝えた後に、企業側の求人活動が終了していたこと分かる
- 採用懸念を伝えた後に、企業側の採用要件が変わっていたこと分かる
この状態になると、「採用状況を把握していない」という悪印象を採用担当者に与えます。
せっかくあなたが【ステップ①】でしっかり準備をしたのに…です。
もったいないですよね?
悪印象がつくと、”今後”にも悪影響が出ます。
つまり、新たな採用ニーズが発生した際に求人を受注しづらくなる、ということです。
〇〇さん(あなた)はうちの状況をあまり理解してないから、依頼は後回しでいいか…
という寂しい状態になります。
アプローチの順番には注意しましょう。
①採用状況の再確認
再確認する内容は、次の2つです。
- 選考の進捗状況
- 採用要件の変化
選考の進捗を確認する内容は次の内容です。
- 選考段階(書類選考/〇次面接/内定など)
- 各段階の数
- 応募ルート(他社エージェント/求人媒体/リファーラルなど)
- 採用見込み
ここで、あなたは次のような疑問を感じますよね?
何人も内定が出ている状況ならどうすればいい?
【答え】採用見込みが高ければ、その他の企業を優先しましょう
あなたの担当企業は1社だけではないはず。
成約確率の見極めて、優先度の高い企業からアプローチをしましょう。
採用要件は、”生もの”です。
「1週間経てば、変わっている可能性がある」
という前提で、推薦の都度確認しましょう。
例えば、次のような変化が考えられます。
- 年齢要件が変わった
- 経験要件が変わった
- 資格要件が変わった
- 採用ポジションが変わった
- 採用人数が変わった
もし、採用要件が変化した場合は、その背景も併せて確認します。
例えば、次のような背景があります。
- 採用がなかなかできないから
- 退職者が出てしまったから
- 配置転換があったから
この2つの確認内容は、影響する場所がそれぞれ違います。
- 選考の進捗状況→【ステップ③】書類選考の所要時間を確認
- 採用要件の変化→【ステップ②】②採用懸念の伝達+③採用懸念のフォローアップ
それぞれ順番に関連する場所を解説していきます。
②採用懸念の伝達
懸念の伝達については、【ステップ①】で準備した内容をそのまま伝えます。
ただし、①で確認した「採用要件の変化」にフィットさせる必要があります。
つまり、次のようにフィットさせるということです。
- 採用要件の変化なし→そのまま伝達
- 採用要件の変化あり→変化に合わせて伝達
③採用懸念のフォローアップ
採用懸念のフォローアップは、「あえて提案をする理由」を伝えます。
「採用ターゲットのストライクではないけど、提案する理由」です。
根拠となる情報源は、求人ヒアリング時に聞いた「組織に関する情報」です。
タイミングとしては、②採用懸念の伝達の直後です。
「採用ポジション」を例に説明すると、次の通り。
「マネージャーポジション」とオーダー頂いていましたが、○○さん(求職者)であれば、マネージャーではなく、「プレマネ」のポジションでの採用してはいかがでしょうか?
マネージャー採用の目的である、「ミドル層の強化」という目的にも合うと思います。
そうすると、採用担当者のリアクションは次のようになります。
なるほど!そういう意図での提案なんですね。
プレマネのポジションは想定していなかったけど、ありですね。
検討してみます。
フォローアップの効果は、次の2つ。
- 誤解を与えないこと
- 気づきを与えられること
誤解を与えないとは、次のような採用担当者のリアクションを生まないということです。
伝えた採用要件と違う人材じゃない?
気づきは、あなたが提案をするからこそ、生まれます。
仮に採用担当者がNGを出す場合でも、「あなたの提案を検討した上で断る」という状態になる。
つまり、「当初考えていた採用要件よりも広い求職者実例を見る」ことになります。
ここに気づきが生まれます。
2つの効果によって、採用担当者との信頼関係を構築することができます。
【ステップ①】【ステップ②】の内容が細かいので、全体の流れをおさらいしておきます。
- 【ステップ①-1】採用懸念を設定する
- 【ステップ①-2】採用懸念に対する想定をする
↓
- 【ステップ②-1】採用状況の再確認
- 【ステップ②-2】採用懸念を伝える
- 【ステップ②-3】採用懸念のフォローアップ
【ステップ③】選考時間の調整をする
採用懸念のフォローアップしたら、推薦前の準備は終わりではありません。
2段階で書類選考の調整をした上で、推薦をしていきます。
- ①求職者側の選考状況を伝える
- ②求人企業側の選考予定日時を確認
という流れです。
え?ここでようやく推薦するの?
【答え】ここまでするからこそ、書類選考の通過率を上げられます
また、採用担当者との実際のやりとりは、一連の会話の流れの中で完結します。
話せば5分で終わります。
①求職者側の選考状況を伝える
①「求職者の選考状況を伝える」段階は、次の段階②「書類選考の回答予定日時の確認」部分の布石になっています。
つまり、①をやっておくと、②がやりやすくなるということです。
よくある伝え方を具体例として挙げます。
推薦する求職者が、既に他社から内定を受けていて、意思表示の期限が今月中なんです…
という伝え方。
採用担当者に「選考スピードを上げないと間に合わない」という情報共有をしています。
せっかくのよい推薦でも、選考タイミングが合わなければ、成果につながりません。
タイミングを合わせてもらう必要がある場合には、背景情報を伝えましょう。
②求人企業側の選考予定日時を確認
求人企業側の書類選考にかかる時間を確認します。
確認することで、2つのメリットがあります。
- メリット①:求職者側の予定調整がしやすくなる
- メリット②:求人企業の採用意欲が分かる
ここで持ちたいイメージは、求人企業と「戦略的協力関係を結ぶ」イメージです。
この求職者を採用できるように、一緒に頑張りましょう!
という協力関係。
こちらの都合だけ押し付けるのは、NGです。
書類選考の結果っていつでますか?急いでください!
というような聞き方。
なぜなら、求人企業側での選考対象はあなたが推薦する求職者だけではないから。
それを加味して、次のように確認します。
選考状況は、今どこまで進んでいらっしゃいますか?
弊社から推薦する求職者を採用するためには、スケジュールを逆算すると、御社の通常の選考スケジュールよりも、1週間は早める必要があるんですが、現実的に可能ですか?
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を持ちますよね?
もしフォローできる要素がなかったらどうしたらいい?
【ターゲット外人材の場合】リクルーティングアドバイザーは「情報提供」を通じてターゲットの再確認をする
【ステップ②】採用懸念の払しょくをしようとした際、次のようなケースも出てきます。
そもそも、求職者についてフォローアップできる要素が、全く見当たらない…
その場合、求職者がそもそもターゲット外である可能性が高いです。
その場合、次のような対応はNGです。
とりあえず、推薦しておこう…
なぜなら、推薦の目的である「理想的な関係性」から遠ざかる動きだからです。
推薦したことで、逆効果になってしまう。
○○さん(あなた)はうちの採用ターゲットのことを分かってくれてないな…
という印象を持たれます。
では、どのように対応すべきか。
次の2つがポイントです。
- ①推薦の意味を説明する
- ②採用ターゲットの再確認をする
①推薦の意味を説明する
ターゲット外の人材を推薦する場合は、推薦の意味を説明します。
説明には、キャリアアドバイザーとの情報連携が必要です。
具体的には「どのような経緯で応募意思を頂いたのか」を確認しましょう。
よくあるのは、次のような理由。
- 応募意欲の強さ
- 企業自体への強い興味
- 採用要件の深読み
伝え方としては、次のようなイメージ。
採用ターゲットからは外れてしまっているかとは思います。
ただ、御社では○○なスキルを重視していると伺っていましたので、○○ポジションであれば、採用を検討いただけるのではないかと思いご推薦しました。
②採用ターゲットの再確認をする
聞いていた通り、改めて「ターゲット外」ですよね?
と確認をする、ということです。
なぜなら、「採用要件の変化」があり得るからです。
【ステップ②】①採用状況の再確認で行うこととほぼ同じで、違いは「聞き方」の部分だけ。
採用担当者は、次のような採用要件について固定概念を持ちがちです。
- 年齢
- 経験
- ポジション
例えば、次のような固定概念。
うちは営業職は絶対35歳以下じゃないと…
しかし、固定概念の1つが崩れるだけでも、採用イメージは大きく変わります。
そうすると、採用成功の可能性も上がります。
実際、私自身も採用者側として次のような経験をしました。
確かに、その経験があるのであれば、年齢はもう少し柔軟に考えてもいいかもな…
エージェントからのターゲット外人材の提案があったことによる気づきです。
自分自身、採用者側になるとどうしても目線は狭まりがちになると感じます。
「求人企業も気づいていない採用イメージを提案する」
そんな重要な役割を担えるようにしていきましょう。
まとめ:リクルーティングアドバイザーは推薦を通じて採用担当者に「気づき」を与えよう
今日の内容を振り返ります。
話の中心となる採用ターゲットは「微妙なゾーン」についてです。
ここの書類選考通過率を最大化します。
理想的な推薦の手順は、次の3ステップです。
- 【ステップ①】採用懸念をピックアップ
- 【ステップ②】採用懸念の払しょく
- 【ステップ③】選考時間の調整をする
【ステップ①】採用懸念をピックアップは、次の2段階で準備をします。
- ①採用懸念を設定する
- ②採用懸念に対する想定をする
【ステップ②】採用懸念の払しょくは、次の3ステップで採用担当者に提供します。
- ①採用状況の再確認
- ②採用懸念を伝える
- ③採用懸念のフォローアップ
【ステップ③】選考時間の調整は、2段階で書類選考の調整をした上で、推薦をしていきます。
- ①求職者側の選考状況を伝える
- ②求人企業側の選考予定日時を確認
採用ターゲット外の人材を提案するポイントは、次の2つです。
- ①推薦の意味を説明する
- ②採用ターゲットの再確認をする
というお話でした。
ここまで読んだあなたなら、推薦前の理想的な動きが理解できたのではないでしょうか?
そうなると、次に取り組むのは面接前のフォローです。
≫【リクルーティングアドバイザー必見】面接前フォロー|なぜ面接で落ちる?採用担当者に確認すべき2つのポイント
リクルーティングアドバイザー業務全般についても復習しておきたい
というあなたは、こちらを参考にしてください。
≫【誰でも上位20%に】人材紹介営業の秘伝ノウハウ|売上を伸ばすコツを徹底解説
最後までご覧いただき、ありがとうございました。