人材業界に興味を持っているあなたには、こんな悩みがありませんか?
人材紹介と人材派遣の違いってどんなところ?
社員として求められる能力には、どんな違いがある?
自分がどっちに向いているのかが分からない
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます
- 人材紹介と人材派遣どちらの経験もある
- 現役の転職エージェント管理職
人材紹介と人材派遣の違いって、経験したことがないと、イメージ沸きませんよね?
私は両方の社員を経験しましたが、経験する前はほぼ知識・イメージゼロでした。
この記事では私の実体験を踏まえて、人材紹介と人材派遣の違いについての疑問に答えていきます。
人材紹介と人材派遣の違いは5つ
人材紹介と人材派遣の違いは、次の5つ。
- 雇用主
- 勤務期間
- 利益率
- 成約ハードル
- 市場規模
それぞれ、詳しく解説していきます。
【違い①】雇用主
人材紹介と人材派遣では、”誰が雇用をするのか”が異なっている。
- 人材紹介→紹介先企業(クライアント)
- 人材派遣→派遣元企業(自社)
【人材紹介】
【人材派遣】
雇用主が異なれば、雇用形態も異なる。
- 人材紹介→(多くの場合)正社員
- 人材派遣→派遣社員
【違い②】勤務期間
人材派遣は”抵触日”という概念がある。(労働者派遣法第35条の2、3)
いわゆる”3年ルール”で、一人の派遣社員が同じ職場で3年以上働くことはできない制度。
つまり、この制度によって、次の違いが生まれる。
- 人材紹介→(多くの場合)無期
- 人材派遣→最長3年
【違い③】利益率
人材紹介と人材派遣では、利益の出方が異なる。
- 人材紹介→求職者の年収×30~35%
- 人材派遣→(@請求単価-@支払単価)×実働時間
具体例を挙げると、次の通り。
- 人材紹介→年収500万円年収×30%=150万円
- 人材派遣→(時給2000円-時給1800円)×20日(月)×8時間(日)=3万2千円
”利益率”としては、人材紹介の方が高い。
人材派遣の場合、利益から社会保険料や有給休暇費用などが差し引かれる。
一般的に、人材派遣の営業利益率は1.2%程度とされている。(一般社団法人日本人材派遣協会より)
一方で、”利益の継続性”としては、人材派遣の方が高い。
人材紹介は、単発の売上になりがち。
調子のいい時は成約が積み重なり、調子が悪い時は成約が全く出ないということもありうる。
つまり、成約の増減が激しくなりがちということ。
逆に人材派遣は、派遣社員が長期間働いてくれることで、毎月安定的に利益が発生する。
【違い④】成約ハードル
主に成約単価の違いを理由として、成約ハードルの高さが異なる。
- 人材紹介→成約ハードルが高い
- 人材派遣→成約ハードルが低い
成約単価や雇用形態の違いがあることによって、選考過程も次のように異なる。
- 人材紹介→複数回の面接
- 人材派遣→”職場見学”
ちなみに、なぜ人材派遣では”面接”ではなく、”職場見学”なのか。
それは、契約前に派遣労働者個人を特定することが、法律で禁止されているから。(労働者派遣法第26条6項)
【違い⑤】市場規模
2019年度の人材派遣業、人材紹介業の市場規模は次の通り。
- 人材派遣→6兆6,800億円
- 人材紹介→3,080億円
(矢野経済研究所より)
単純計算で21.6倍の差がある。
ただし、前述したように両者には利益率に大きな差があるため、単純比較に意味はない。
一般的な人材派遣の営業利益率1.2%を市場規模に掛け合わせてみると、次の通り。
6兆6,800億円×1.2%=801.6億円
人材紹介の市場規模を下回る数値となることが分かる。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
事業の違いは分かったんだけど、社員として求められる能力には、どんな違いがある?
人材紹介と人材派遣の社員に求められる能力2つの違い
人材紹介と人材派遣の社員に求められる能力の違いは、次の2つ。
- 行動の質と量
- 課題解決力の種類
それぞれ解説していきます。
【違い①】行動の質と量
求められる能力に違いを生む要因は、次の2つの事業の違い。
- 利益率
- 成約ハードル
具体的にいうと、次の通り。
- 人材紹介=利益率・成約ハードル高い→行動の質を求められる
- 人材派遣=利益率・成約ハードル低い→行動の量を求められる
人材紹介の場合、収益性が高いだけに、成約に至るまでのハードルも高い。
つまり、クライアントには、次のような思いがあるということ。
大金を払うのだから、慎重に選びたい
正社員を雇用するのだから、慎重に選びたい
そこで、エージェント側として重要となるのは”見極め力”。
つまり、ハードルが高い中でも、どのクライアントであれば、成約に至るのかを見極める力が重要ということ。
【違い②】解決課題力の種類
求められる能力に違いを生む要因は、次の2つの事業の違い。
- 雇用主
- 勤務期間
具体的にいうと、次の通り。
- 人材紹介=雇用主はクライアント→未来発展型の傾聴が必要
- 人材派遣=雇用主は自社→問題解決型の傾聴が必要
- 人材紹介=勤務期間は長い→将来的課題の把握力が必要
- 人材派遣=勤務期間は短い→問題解決力とスピードが必要
人材紹介の場合、求職者は成約後、クライアントの正社員となるケースが多い。
そうなると、成約後、エージェントが”直接”問題解決を行うということはできない。
だからこそ、求人紹介の時点での求職者とクライアントの”未来像”を結び付ける能力が求められる。
人材派遣の場合、求職者は成約後、自社の社員であり、短期間の勤務となるケースも多い。
そうなると、短かい勤務期間に”いかに不満の少ない就業ができるか”が重要となる。
課題があれば、”直接”課題解決のために、求職者とクライアントの間に立ち、スピーディーに動くことが求められる。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
自分がどっちに向いているのかが分からない
人材紹介と人材派遣への適性は頭と体どっちが先に動くタイプかで判断【実体験】
実際に、あなたがどっちに向いているのかを考えようとしても、イメージ沸きづらいですよね?
適性を考える時は、自分が”頭と体どちらが先に動くタイプか”で判断をしましょう。
なぜなら、人材紹介は”思考ありき”でないと成果がでないから。
成果報酬型のビジネスモデルであることが要因。
人材派遣は”行動ありき”でないと業務が回らないから。
契約処理や請求処理なども多いので、行動しながら思考することを求められる。
ちなみに、両方を経験した私としては、それぞれに異なる種類のやりがいを感じている。
主観ですが、人材紹介には”深い貢献”が、人材派遣には”近い貢献”がある。
まずは、あなたの適性を踏まえて一歩踏み出してみてほしい。
まとめ:人材紹介と人材派遣の違いを理解し、得たいスキルとあなたのタイプを整理しよう
それでは、今日の内容を振り返ります。
人材紹介と人材派遣の違いは、次の5つ。
- 雇用主
- 勤務期間
- 利益率
- 成約ハードル
- 市場規模
人材紹介と人材派遣の社員に求められる能力の違いは、次の2つ。
- 行動の質と量
- 課題解決力の種類
適性を考える時は、自分が”頭と体どちらが先に動くタイプか”で判断をしましょう。
人材紹介には”深い貢献”が、人材派遣には”近い貢献”がある。
ここまで記事を読んだあなたなら、人材紹介と人材派遣の違いを掴めてきたはず。
人材紹介に関する基礎知識をもっと学びたい
というあなたは、こちらを読んでみてください。
≫【完全網羅】転職エージェントとは?現役社員の私が基礎知識を徹底解説
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。