人材紹介に興味を持っているあなたには、こんな悩みがありませんか?
両面型と片面型ってどう違うの?
それぞれどんなメリット・デメリットがあるの?
どっちを選んだ方がいいの?
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます
- 現役の転職エージェント管理職
- 両面型・片面型の両方を経験
- 両面型・片面型の両方のマネジメントも経験
”両面型と片面型の違い”自体は聞いたことありますよね?
ただ、その違いがどんな影響をもたらすかまでは分かりづらい。
私もエージェント業界に入って数年経験するまではそうでした。
この記事では、両面型と片面型の違いについてのあなたの疑問に、私の実体験を踏まえて一歩踏み込んで答えていきます。
人材紹介会社の両面型と片面型とは?【結論:求人者と求職者の両方or専任対応の違い】
人材紹介会社の両面型と片面型とは、次の通り。
- 両面型→求人者と求職者を一人のコンサルタントが対応する体制
- 片面型→求人者と求職者を別々のコンサルタントが対応する体制
それぞれ詳しく説明します。
片面型(片手型/分業型)
片面型は、”片手型”や”分業型”ともいいます。
エージェントによって呼び方は異なり、明確な定義はない。
片面型ではコンサルタントの役割を次の2つに分けます。
- RA(リクルーティングアドバイザー)
- CA(キャリアアドバイザー)
それぞれ対応する内容は、次の通り。
- RA→求人者側を対応
- CA→求職者側を対応
RA(リクルーティングアドバイザー)
RAとは、企業の採用成功を支援する仕事。
業務内容は、主に次の3つ。
- 新規求人獲得業務
- キャリアアドバイザー対応業務
- 顧客対応業務
もっと詳しく知りたいという方は、こちらをどうぞ。
≫リクルーティングアドバイザーの仕事内容とは?【2つの挫折ポイントも発表】
CA(キャリアアドバイザー)
CAとは、求職者を転職成功に導く仕事。
業務内容は、主に次の11種類。
- キャリア面談
- 求人の紹介
- 求人応募の意思確認(再面談)
- 履歴書、職務経歴書の添削
- 求職者との面接日時調整
- 面接対策
- 面接後の意向確認
- 求職者との内定条件調整
- 入社意思の確認
- 退職交渉サポート
- 入社準備サポート
もっと詳しく知りたいという方は、こちらをどうぞ。
≫キャリアアドバイザーの仕事内容とは?【全11種類を現役転職エージェント管理職の私が解説】
図解すると次の通り。
両面型(両手型/一気通貫型)
両面型は、”両手型”や”一気通貫型”ともいいます。
エージェントによって呼び方は異なり、明確な定義はない。
片面型ではRA・CAで分かれている業務を、両面型では1人のコンサルタントが兼任する。
図解すると、次の通り。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
それぞれどんなメリット・デメリットがあるの?
人材紹介会社の両面型と片面型メリット・デメリットを解説
両面型と片面型のメリット・デメリットは次の通り。
【片面型】
【両面型】
メリット・デメリットを要素ごとに整理して解説していきます。
①求人数、面談数、紹介数の量
片面型の場合、量をこなすことができるメリットがある。
なぜなら、業務効率が上がるから。
RA・CAが対応する業務を限定し、分業することで、業務効率が上がる。
両面型の場合、片面型と比較すると、量をこなすことはできない。
なぜなら、RA・CA両方の業務を対応することで、それぞれの業務効率は下がるから。
②情報連携
片面型の場合、情報連携がしづらいというデメリットがある。
なぜなら、RA・CAの間で情報精度が落ちるから。
具体的には、”伝言ゲーム”が起こることで、2つの問題が起こる。
- 情報の質→間違った情報が伝わる
- 情報の量→伝わる情報量が足りない
情報精度が落ちていく流れは、次の通り。
- 求人情報:求人企業→RA→CA→求職者
- 求職者情報:求職者→CA→RA→求人企業
情報の質と量が落ちてしまう理由は、次の3つ。
- RAの伝達能力
- CAの理解能力
- 情報共有方法
特に、3つめの情報共有方法。
日々忙しい中での情報共有は、雑になりがち。
具体的には、”求人票を渡すだけ”のような共有方法。
それだと、求人本来の魅力がいまいち伝わらない。
魅力が伝わらないと、求職者の求人応募に結び付かない。
つまり、マッチング精度が低い状態になる。
逆に、両面型の場合、情報連携の問題は発生しづらい。
なぜなら、RA・CA業務を一人のコンサルタントが担当するから。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
求人担当と求職者担当が別のコンサルタントになる場合は、どうなの?
【答え】情報連携の問題は発生するが、分業型よりは発生しづらい。
両面型の場合、伝達能力・理解能力の問題は起こりづらい。
なぜなら、両面型のコンサルタントは求人者側も求職者側も対応しているから。
どちらも対応している分、どちらの基礎能力も身についている。
③取れる対応策の幅
片面型の場合、課題に対しての対応策が限定的になるというデメリットがある。
なぜなら、業務領域が限られているから。
例えば、RA側として考えられる対応策は、基本的には求人側の対応策のみ。
一例としては、次の通り。
- 新規求人を受注する
- 既存求人のブラッシュアップをする
- 契約単価の交渉をする
- CAに対する情報提供を強化する
両面型の場合、求人側・求職者側の両方の対応策を取ることができるメリットがある。
具体的には、求人側の課題の根本原因が求職者側にあるケース。
例えば、求人者が求める求職者が非常にニッチな場合は、このケースに該当する。
ただし、対応策の幅が広いからこそ、優先順位付けが難しい。
優先順位を間違えると、成果につながらない。
④スキルアップ
片面型の場合、スキルアップのスピードは早い。
なぜなら、一度に習得する業務量が少ないから。
習得する業務量が少ないのは、RA・CAで業務が分業されているから。
スキルアップスピードが早いということは、個々のコンサルタントのスキル差も開きづらい。
スキル差が付きづらいということは、売上も安定しやすい。
こういった事業上のメリットもある。
一方で、”もう一方の片面側”を経験できる可能性が低いという、キャリアデザイン上のジレンマが発生する。
なぜなら、組織構成上の都合で、部署異動がしづらい場合が多いから。
背景には、売上を上がるメンバーほど、所属組織としては手放したくないという事情がある。
将来的に両面を経験したいと思っている人は、面接で次の3つを聞いておいた方がいい。
- 異動できる条件
- 異動実績
- 異動実績の内訳
両面型の場合は、逆のことがいえる。
スキルアップのスピードは遅くなる。
なぜなら、一度に習得する業務は幅広いから。
そうなると、個々のコンサルタントのスキル差も開きやすい。
つまり、売上の差も出やすい。
一方で、幅広い業務を経験できる環境は、キャリア適性を判断しやすいというメリットがある。
具体的には、”RAが得意””CAが得意”など適性に応じて業務ウェイトを設計できる。
つまり、適材適所が叶う環境ということ。
⑤抱え込み
抱え込みとは、担当求人・担当求職者の情報を隠す行為のこと。
抱え込みは、両面型の場合に起こりやすい。
なぜなら、次のような動機が発生する環境だから。
自分の担当求職者を、自分の担当求人に決定させたい
この動機自体を持つことは悪いことではない。
ただし、会社全体としては、認めるわけにはいかない。
なぜなら、求職者視点見れば最善策ではないから。
あくまで担当コンサルタント個人の最善策。
この状態は、”仕組み”で解決する他ない。
つまり、情報が常に全コンサルタントに開示される仕組みを作るということ。
この仕組みがない会社だと、新人は成果が出しづらい状況になるので要注意。
この点も面接で確認しておいた方がいい。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
どっちを選んだ方がいいの?
人材紹介会社の両面型と片面型それぞれ向いている人【どちらも経験した私が解説】
両面型と片面型、それぞれに向いている人は次の通り。
両面型に向いている人
営業経験の豊富な人であれば、”量が質に転換されるポイント”を何度も経験してきたはず。
その経験が人材紹介業全体に活きてくる。
特に業務幅の広い両面型では、質と優先順位付けが要求される。
また、将来的に独立したいのであれば、両面の経験は欠かせない。
片面型に向いている人
逆に、片面型ではまず入り口の”量”がモノを言う。
なぜなら、片面型の入社初期では、新規営業をミッションとして課される可能性が高いから。
1~3%程度のアポイント率の中から成果を出そうとするので、量が重要となる。
圧倒的な量を追うことができれば、早々にポジションアップを狙うこともできる。
まとめ:人材紹介の両面型・片面型はあなたの経験と将来キャリアを軸に選ぼう
それでは、今日の内容を振り返ります。
人材紹介会社の両面型と片面型とは、次の通り。
- 両面型→求人者と求職者を一人のコンサルタントが対応する体制
- 片面型→求人者と求職者を別々のコンサルタントが対応する体制
両面型と片面型のメリット・デメリットは次の通り。
【片面型】
【両面型】
両面型と片面型、それぞれに向いている人は次の通り。
ここまで記事を読んだあなたなら、両面型と片面型の違いが掴めてきたはず。
人材紹介に関する基礎知識をもっと学びたい
というあなたは、こちらを読んでみてください。
≫【完全網羅】転職エージェントとは?現役社員の私が基礎知識を徹底解説
リクルーティングアドバイザーやキャリアアドバイザーに関する基礎知識も学びたい
というあなたは、こちらを読んでみてください。
リクルーティングアドバイザーやキャリアアドバイザーを目指すための具体的な流れが知りたい
というあなたは、こちらを読んでみて下さい。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。