人材業界に興味を持っているあなたには、こんな悩みがありませんか?
転職エージェントとハローワークってどこが違うの?
転職エージェントとハローワーク、どちらが自分に向いている?
どうやったらなれるの?
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます
- 現役の転職エージェント管理職
- リクルーティングアドバイザー、キャリアアドバイザー共に経験5年以上
- 現職への転職時、ハローワーク利用の経験あり
転職エージェントとハローワークの違いって、国がやってるか、民間がやっているかの違いでしょ?
こういった認識はあるかと思います。
ただ、それぞれが行う業務は具体的に何が違うのか、までは分かりづらいですよね?
この記事では私の実体験も踏まえて、転職エージェントとハローワークの違いについての疑問に答えていきます。
転職エージェントとハローワーク3つの違い【共通点は1つ】
転職エージェントとハローワークの違いは、次の3つ。
- 求人情報の質と量
- 求人の属性
- 仲介の度合い
なぜ、違いが出てくるかというと、組織の運営目的が異なるから。
- 転職エージェント→有料職業紹介
- ハローワーク→無料職業紹介/雇用保険・求職者支援/雇用対策
求人者から対価を得ているかどうかによって、各種の動きに違いが出てくる。
つまり、利益追求を効率的に行おうとするかどうかで発生する違い。
転職エージェントの定義について、もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
≫【そうだったんだ】人材紹介を定義するのに欠かせない4つの要件とは?
厚生労働省は、ハローワークの役割を次のように規定している。
民間の職業紹介事業等では就職へ結びつけることが難しい就職困難者を中心に支援する最後のセーフティネットとしての役割を担っています。
また、地域の総合的雇用サービス機関として、職業紹介、雇用保険、雇用対策などの業務を一体的に実施しています。
ハローワークは、職業紹介だけを目的とした組織ではないということ。
それぞれの違いについて、詳しく解説していきます。
【違い①】求人情報の質と量
求人の質と量が異なる理由は、次の通り。
- 転職エージェント→求人企業にインタビューした上で求人情報を作成するから
- ハローワーク→求人企業が直接求人情報を作成するから
転職エージェントの客観的視点が入る分、求人の内容は充実する。
また、インタビューをしていることにより、定性的な情報も充実する。
特に、ハローワークの求人票でいうところの”求人に関する特記事項”に相当するような補足・詳細情報の部分に情報密度の差が出る。
【違い②】求人の属性
求人属性として異なるのは、次の2つ。
- 求人企業の規模
- 求人カバーエリア
求人企業の規模は、次のように異なる。
- 転職エージェント→大手~中堅企業中心
- ハローワーク→中堅~中小企業中心
転職エージェントの場合、一人の採用成功につき年収×30~35%の成果報酬が発生する。
この報酬が払える体力のある企業が支援の対象となる。
ハローワークの場合、費用が発生しないため、転職エージェントのように支援対象に制限はない。
ちなみに、双方共に次の6つのケースでは求人を受理しないことが可能(職業安定法第5条の5)。
- 内容が法令に違反する求⼈
- 労働条件が通常の労働条件と⽐べて著しく不適当な求⼈
- 求人者が労働条件を明示しない求人
- ⼀定の労働関係法令違反のある求⼈者による求⼈
- 暴⼒団員などによる求人
- 職業紹介事業者からの自己申告の求めに応じなかった求人者による求人
求人カバーエリアは、次のように異なる。
- 転職エージェント→首都圏中心
- ハローワーク→エリアの偏りは少ない
転職エージェントが首都圏中心となるのは、紹介料を支払うことのできる求人企業が首都圏に偏るため。
ハローワークがエリアの方よりが少ないのは、全国に544ヶ所(令和2年度時点)あり、地域間格差が起こりづらい組織体制になっているから。
一例として、ハローワークインターネットサービスで東京と愛媛の求人数を比較してみる。
- 東京都:847,874件(58.35倍)
- 愛媛県:14,529件
転職エージェント最大手のリクルートエージェントだと、次の通り。
- 東京都:54,530件(89.1倍)
- 愛媛県:612件
ハローワークの方が、約30倍地域間格差が少ないことが分かる。
【違い③】仲介の度合い
転職エージェントとハローワークでは、仲介の度合いが異なる。
簡単に言えば、”面倒見のよさ”が違う。
それぞれの業務の対応幅は、次の通り。
- 転職エージェント→求人紹介/求人選定/面接対策/面接日程調整/年収交渉
- ハローワーク→求人紹介/紹介状の作成/職業訓練
転職エージェントは、成果報酬型のビジネスであることが多いため、”いかに転職成功を最大化するか”を前提に業務設計されている。
ハローワークでは、”いかに多くの求職者に情報提供をするか”を前提に業務設計されている。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
逆に、共通点はあるの?
【答え】求職者が無料でサービスを受けられる点。
”有料職業紹介”と言いつつ、求職者側に費用がかからないのは、法律で規制されているから。(職業安定法32条の3)
一方、求人者側においては、次のような違いがある。
- 転職エージェント→求人者から紹介料をもらう
- ハローワーク→求人者にも無料でサービス提供をする
ここまで読んだあなたは、次のような疑問も感じますよね?
転職エージェントとハローワーク、どちらが自分に向いている?
転職エージェントとハローワークの違いから考える向き不向き
転職エージェントとハローワークの3つの違いを勘案すると、適性の判断基準は次の通り。
【転職エージェント】
- 向いている人→「相手の話を深く聞き、相手の深層心理を探求したい」と考える人
- 向いていない人→”作業”として仕事をする事が好きな人
つまり、質を追求できるタイプの人が向いている。
【ハローワーク】
- 向いている人→「地元企業・求職者の雇用に貢献したい」というマインドを持っている人
- 向いていない人→「支援1つずつの”質”にこだわりを持って仕事をしたい」というマインドを持っている人
つまり、地域貢献に対して優先度が高い人に向いている。
私も過去、転職活動をした際にハローワークを利用したことがあります。
ただ、その際担当者に聞かれた内容は”希望条件”が中心のコンパクトなものでした。
転職エージェントのキャリアアドバイザーが行うキャリアコンサルティングと比べると、内容は薄い。
一方で「そうなるのも、仕方ないな」とも感じる。
なぜなら、私の後ろにもズラーっと人が待っていましたので…。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
どうやったらなれるの?
転職エージェントとハローワーク職員になる方法を解説
転職エージェントになるには、4つのルートがある。
- 転職エージェント
- 求人広告
- 直接応募
- リファーラル(縁故採用)
最終的にどのルートから応募するにせよ、最重要なことは情報収集。
情報の集まっている転職エージェントと求人広告は、まず始めに利用した方がいい。
そして、使う際には”使う順番”に気を付けましょう。
なぜなら、順番次第で効果が半減してしまう可能性があるから。
具体的な使い方の流れは、こちらを参考にして下さい。
【営業職を目指す方】
≫【サクっと分かる】人材紹介会社の営業職になるには?業界知識と手順を完全ガイド
【キャリアアドバイザー職を目指す方】
≫【保存版】キャリアアドバイザーへの転職を目指す人のための完全ガイド
ハローワーク職員になるには、国家公務員2種もしくは3種に合格する必要がある。
国家公務員2種は、中堅幹部候補の位置づけ。
国家公務員3種は、初級係員の位置づけ。
試験難易度は、大卒程度か高卒程度かの違いがある。
ただし、試験に合格したとしても、必ずしもハローワークに配属されるわけではない。
なぜなら、労働局ではハローワークと併せて労働基準監督署も管轄しているから。
そうなると、広い視点で”労働局管轄の業務全般”に興味を持てることが、前提として必要。
まとめ:転職エージェントとハローワークの違いは支援対象【誰に貢献したいかを考えよう】
それでは、今日の内容を振り返ります。
転職エージェントとハローワークの違いは、次の3つ。
- 求人情報の質と量
- 求人の属性
- 仲介の度合い
転職エージェントとハローワークの3つの違いを勘案すると、適性の判断基準は次の通り。
【転職エージェント】
- 向いている人→「相手の話を深く聞き、相手の深層心理を探求したい」と考える人
- 向いていない人→”作業”として仕事をする事が好きな人
【ハローワーク】
- 向いている人→「地元企業・求職者の雇用に貢献したい」というマインドを持っている人
- 向いていない人→「支援1つずつの”質”にこだわりを持って仕事をしたい」というマインドを持っている人
転職エージェントになるには、4つのルートがある。
- 転職エージェント
- 求人広告
- 直接応募
- リファーラル(縁故採用)
ハローワーク職員になるには、国家公務員2種もしくは3種に合格する必要がある。
ここまで記事を読んだあなたなら、転職エージェントとハローワークの違いがイメージできたはず。
人材紹介に関する基礎知識をもっと学びたい
というあなたは、こちらを読んでみてください。
≫【完全網羅】転職エージェントとは?現役社員の私が基礎知識を徹底解説
リクルーティングアドバイザーやキャリアアドバイザーに関する基礎知識も学びたい
というあなたは、こちらを読んでみてください。
リクルーティングアドバイザーやキャリアアドバイザーを目指すための具体的な流れが知りたい
というあなたは、こちらを読んでみて下さい。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。