人材紹介会社の営業職に興味を持っているあなたには、こんな悩みがありませんか?
ノルマってあるの?
ノルマって、やっぱ辛いものなの?
ノルマを達成できないと、どうなるの?
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます。
- 現役の転職エージェント管理職
- ノルマの設定を”している”立場
- ノルマを達成できず、苦しんだ経験
- ノルマを達成でき、早期に昇進できた経験
営業職だから、多分ノルマはあるだろうな…
とは想像していますよね?
ただ、具体的にどんなノルマがあるのかまではイメージ付きづらくないですか?
具体的イメージがないと、漠然とした不安を作ってしまいます。
逆にイメージさえついてしまえば、余計な不安を感じなくて済みます。
この記事では、現役転職エージェントの私があなたの疑問に答えていきます。
人材紹介会社の営業職に課されるノルマは全部で10種類【全設定=やばい】
10種類のノルマとは、以下の通り。
- 入社金額・件数
- 成約金額・件数
- 内定数
- 面接通過数
- 書類選考通過数
- 書類応募数
- 求人紹介数
- 新規求人受注数
- 新規アポイント数
- 新規営業行動数
それぞれ内容を説明します。
- 入社金額・件数:担当企業に求職者が当月入社した人数(成功報酬金額)
- 成約金額・件数:担当企業に求職者が入社する意思表明をする人数(成功報酬金額)
- 内定数:企業から内定を獲得する数
- 面接通過数:1次面接を通過する件数
- 書類選考通過数:書類選考を通過する件数
- 書類応募数:書類選考を依頼する件数
- 求人紹介数:求職者に求人を紹介する件数
- 新規求人受注数:企業から新規の求人を依頼いただく件数
- 新規アポイント数:企業との求人依頼についての商談を行う件数
- 新規営業行動数:企業にメールや電話で求人を依頼いただけないかの確認を行う件数
10のノルマはリクルーティングアドバイザーの業務フローとリンクしています。
私自身、人材業界で複数社を経験してきましたが、どの会社もこの項目の中からノルマを課されていました。
ただし、この10種類のうち、どれを、いくつ採用しているかは、会社によってまちまちです。
共通するノルマとしては”成約”についてのノルマ。
次の順に、ノルマ設定される可能性は高くなります。
行動数→過程→成果
なぜなら、人材紹介会社のメイン収益は「成果報酬型」だから。
収益形態とノルマがリンクしているということ。
ノルマを属性別に整理すると、次の通り。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
何で会社によってノルマが違うの?
【答え】管理・育成に対する考え方が違うから。
一例を挙げると”売上ノルマだけを課す”という方針の会社があります。
ただ、新人に”売上の立て方”なんて分かるでしょうか?
基本分かりません。
そうすると、自然と社員間で出る結果に差が開きます。
そして、結果の出ない社員は辞めていきます。
逆に”細かくノルマを課す”という方針の会社もあります。
細かくノルマを課すためには、マネジメント側がノルマ設定のための根拠データを準備する必要がある。
マネジメント側としては、日々のデータを蓄積し、分析をしなければいけないので、かなり大変。
つまり、管理工数を上げる選択をしたということになる。
一方で、新人としてはノルマ設定のための根拠データは行動するための指針になる。
指針があると、成果も出しやすくなる。
どちらを選択するかは、会社の考え方次第。
その選択によって、ノルマの設定の仕方に違いが出てきます。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問も感じますよね?
ノルマはやっぱ少ない方がいいの?
【答え】新人にとっては多い方がいい。
なぜなら、新人は成果を出すための業務のコツをつかめていないから。
過程や行動数を評価してもらえた方が楽。
ベテランになると、成果を出すための業務のコツを分かってくる。
もっと言うと、独自のコツをつかめてくる。
そうなると、成果ノルマに限定したノルマ設定が好ましい。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問も感じますよね?
ノルマって、やっぱ辛いものなの?
人材紹介営業の感じるノルマの辛さは会社の”3つの状況”次第でやばい
3つの状況とは次の通り。
- チェックの頻度
- 責任の単位
- ノウハウ
説明を加えると、次の通り。
- チェックの頻度:どのくらいの頻度でノルマのチェックされるか
- 責任の単位:ノルマの責任は誰が負うのか
- ノウハウ:ノルマ設定をされる項目に対するノウハウが社内で共有されているか
それぞれの項目について、具体的な項目を挙げると次の通り。
- チェックの頻度:日、週、月、四半期、年
- 責任の単位:個人、チーム、部門
- ノウハウ:抽象的or具体的/局所的or網羅的
一例として、この組み合わせ方次第で、最も辛い状況が完成します。
つまり「毎日何のヒントも与えられずに、ただ精神論で個人が責任追及される」という状況。
実は私もこういった組織を経験したことがあります…。
当時を振り返ると、もはや出社するのが恐怖でしかない。
もしあなたが入社した会社がそんな組織なら、すぐに転職をおすすめする。
逆に、3つの状況がしっかり機能していたら、辛さよりもノルマ達成の喜びの方が上回る。
よい組織は、ノルマを次のように捉えています。
ノルマは、目標達成に向けて、どのように行動を変えるのかの答え合わせツールだ
このような組織は、社員に自主性があって、チームの雰囲気もいい。
自ずと高い成果がでます。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
3つの状況が機能しているかって、入社前に確認できるもの?
【答え】面接の質疑応答で”ノウハウ”について詳しく聞くことで確認できる。
次のような返答が返ってくる場合は、要注意。
その都度話をしてOJTしています
個々人の力に任せています
この場合、組織にノウハウが蓄積されていない可能性が高い。
つまり、個人プレイの組織になってしまっている状態。
ただ、ここで注意点がある。
それは、質問をしてもすべて明確に答えてもらうのは難しいということ。
なぜなら、ノウハウは機密性の高いものだから。
採用担当者にはこんな心理が働く。
もしかしたら競合他社に入社するかもしれないし、うちのノウハウを全部伝えるのは怖いな…
なので、課題解決のノウハウについての”組織としての考え方”が理解できればOKと考えてください。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問も感じますよね?
具体的にはどんなノルマ設定がヤバイ?
人材紹介営業に課されるやばいノルマ設定3パターン【辛い理由も解説】
やばいノルマ設定は、具体的には次の3種類。
- 【やばいノルマ①】成約ノルマだけ与えてノーヒント
- 【やばいノルマ②】過程ノルマの設定値が高すぎる
- 【やばいノルマ③】行動ノルマの設定値が高すぎる
【やばいノルマ設定①】成果ノルマだけ与えてノーヒント
シンプルに言えば「何でもいいから売ってこい」という放任主義タイプ。
売った分インセンティブを支給するので、還元率は高い傾向にある。
意外かもしれませんが、放任主義タイプは大手にも多い。
社風としては「個人事業主の集まり」のような雰囲気になります。
個々の社員でつながることはあっても、チームで仕事をする感覚は薄い。
となると教育体制は初期教育のみになり、人材育成に対する意欲も低い。
全員が個々の成果に向かって進んでいるのだから、当然と言えば当然。
チームで仕事をするのが好きな人にとっては辛い環境。
逆に、次のようなタイプの人には向いている。
自学自習が得意
学んで実践するスピードには自信がある
個人プレイの方が好き
ただ、マニュアルが細かく完備されていることが大前提です。
マニュアルがなければ、そもそも自学自習ができず、成果は出ない。
ノルマと実績の差を埋める術がない地獄となる。
【やばいノルマ設定②】過程ノルマの設定値が高すぎる
どうやったらその内定数とれるの??
という印象を持つ非現実的なKPIになってしまっているケース。
その原因は、過去の成約率の悪いタイミングの実績をそのまま適用してしまっていることにある。
たまたま悪かった時を基準にしてしまっている、ということ。
例えば、次のような状態。
- 過年度平均:2件の内定から1件の成約が出る(成約率50%)
- 去年実績:10件の内定から1件の成約が出た(成約率10%)
この時、成約率10%を使ってノルマ設定をしてしまうと、非現実的なKPIができ上がる。
本来、異常値が出たときにノルマ設定者が考えなくてはいけないのことは、次の2つ。
- 異常値が出た原因
- 異常値が今後出ない前提条件
上記2つを考慮した上で、あるべき成約率を逆算してKPIを設計する。
【やばいノルマ設定③】行動ノルマの設定値が高すぎる
例えば「1日10,000件テレアポし続けろ!」
というような行動ノルマ。
ノルマの基本概念が「とくかく行動すれば何とかなる」という量偏重型になっている。
問題なのは、質を上げる工夫がされていない点。
なぜなら、成果を上げる2つ要素のうち片方しか考えられていない状態になっているから。
2つの要素とは、次の公式の通り。
「成約数=行動数×成約率」
つまり、成約率を上げる工夫がされていないということ。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問も感じますよね?
ノルマを達成できないと、どうなるの?
人材紹介営業がノルマ達成できないと起こる5段階のやばい悲劇【辛さから立ち直るヒントあり】
5段階のやばい悲劇とは、次の通り。
- 給料が下がる
- モチベーションが下がる
- 評価が下がる
- 周りから白い目で見られる
- 辞める
私自身営業職から管理職へ上がる過程の中で、多くの退職者を見てきました。
退職する社員によく見られる傾向で、絶対にやっちゃダメなことがあります。
それは、モチベーションが落ちた時に”環境に対して文句を言う”ということ。
私は悪くない、評価制度が悪いんだ
私は悪くない、目標設定が悪いんだ
といった調子。
大前提として、完璧な制度や完璧な目標なんてありません。
人が作るものなので、どこかしらに欠陥があるのが普通。
そんな中、他責思考で周りの社員に対して同調を求め始める社員はやっかい。
会社からすれば、その社員は”組織のガン”にしか見えない。
さらに評価が下がってしまいます。
つまり、給料が下がった時点で、置かれた状況を”自責”で捉えられるかが運命の分かれ道。
給料を上げ直し、復活するする社員は共通して自責思考がありました。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を感じますよね?
ノルマを達成するためにはどうすればいいの?
【答え】ポイントは次の2つ。
- 【ポイント①】ノルマを分解する思考を持つこと
- 【ポイント②】上司以外に頼れる人を持つこと
【ポイント①】ノルマを分解する思考を持つ
シンプルに言えば「バカ正直にやらない」ということ。
例えば、1件のアポイントを獲得するために、100件の電話をするという行動目標があったとします。
この時、次のように考えてみます。
この”1%”というアポイント率は、どのような前提で導き出されてきているんだろう?
そして、さらに次のように考えてみる。
この”1%”を”2%”にするには、どうしたらいいだろう?
仮に2%にできたら、行動量は半分で済むわけです。
早々に実行に移して、結果検証をする。
このサイクルをいかに早く回せるかが、カギです。
つまり、与えられたノルマをただ”鵜呑み”にしてはダメ。
前提を疑い、仮説を立て、行動することが重要です。
【ポイント②】上司以外に頼れる人を持つ
上司以外の頼れる人は重要です。
その理由は次の2つ。
- 成果の出ない原因が本人でない場合もある
- 一人で苦境に耐えることが精神的に難しい場合もある
本人起因でない場合とは、例えば次の通り。
- 上司が無能
- 上司と強み・弱みが合わない
- 上司と単に馬が合わない
- チームの方針と合わない
私自身、別チームの全く成果の出ない社員から「辞めたいと思っているんです…」という相談を受けることがありました。
話を聞き、アドバイスをした結果、その社員は年間MVPを取るまでに成長をした例もあった。
その社員の上司と私のアドバイスの違いは、育成に対する考え方。
異なる考え方を取り入れることで、結果が大きく異なることもあるということです。
苦境に陥った時、愚痴を言い合って傷をなめ合うのは悲劇の始まりです。
逆に「正しい考え方」をマインドセットしてくれるメンターの存在は心強い。
尊敬できる人に社内で出会っておくことが大切です。
まとめ:人材紹介営業のノルマに設定される項目は会社の方針次第【達成のコツは”分解”して行動】
それでは、今日の内容を振り返ります。
10種類のノルマとは、以下の通り。
- 入社金額・件数
- 成約金額・件数
- 内定数
- 面接通過数
- 書類選考通過数
- 書類応募数
- 求人紹介数
- 新規求人受注数
- 新規アポイント数
- 新規営業行動数
ノルマの辛さは、会社の”3つの状況”次第。
- チェックの頻度
- 責任の単位
- ノウハウ
特にノウハウは、入社前に必ず面接で確認するようにしましょう。
ノルマ達成ができないと起こる”5段階の悲劇”は、次の通り。
- 給料が下がる
- モチベーションが下がる
- 評価が下がる
- 周りから白い目で見られる
- 辞める
”2.モチベーションが下がる”前で踏ん張れるかどうかが、運命の分かれ道。
ノルマ設定を鵜呑みにせず、要素を分解して考え、行動する癖をつけましょう。
今日の話を理解して、リクルーティングアドバイザーに挑戦すれば、きっとうまくいくはずです。
ただ、こんな風にも感じませんか?
ノルマ以外にもどんなきついことがあるんだろう?
そんなあなたは、こちらを読んでみてください。
≫【現役管理職の私が教える】人材紹介会社の営業職1年目にきついことトップ11
よし、じゃあ転職活動してみよう!
と思ったあなた。
ちょっと待ってください。
転職活動は”戦略”を間違うと、大きく結果が変わります。
行動するに当たっては、次の記事を参考にしてみてください。
≫【未経験でも大丈夫】リクルーティングアドバイザーに転職する5ステップ
リクルーティングアドバイザーに関する基礎知識をもっと固めておきたい
というあなたは、こちらを読んでみてください。
≫【サクっと分かる】人材紹介会社の営業職になるには?基礎知識~転職手順を完全ガイド
最後までご覧いただきありがとうございました。