人材紹介会社でマネジメントをするあなたは、次のような悩みを抱えていませんか?
KPI管理はしてるけど、どうも目標と実績の差が埋まらない。
KPI管理はしてるけど、あまりに管理の手間がかかりすぎる。
次のような経験をもつ私(@taqnock)が、あなたの悩みに答えます。
- 現役の転職エージェント管理職
- マネジメント対象の90%以上のメンバーは目標達成
- リクルーティングアドバイザー、キャリアアドバイザーとも5年以上の現場経験
KPI設定は多くの会社で行われている。
ただ、その”運用面”については、あまり論じられないことが多い。
営業職全体の”プロセス管理論”はあれど、人材紹介業にどう適用していいか悩みますよね?
私も、外部のマネジメント研修を多く受けてきたのでよく分かります。
この記事では、人材紹介に特化したプロセス管理手法について、最適解をお伝えします。
人材紹介のプロセス管理3ステップ|管理シートを無料公開
プロセス管理は、次の3ステップで行う。
- 目標時間の設定
- 実績時間の確認
- 差異分析
そもそも、なぜプロセス管理を行う必要があるのかというと、理由は次の2つ。
- 差異の原因を把握できるから
- 有効な改善策を立てられるようになるから
まずは、ここで”プロセス管理シート”を無料公開します。
では、各ステップを具体的に解説していきます。
【ステップ1】目標時間の設定
目標時間の設定に当たっては、次の3項目を設定する。
- 行動項目
- 単位当たり標準時間
- 予定行動時間
それぞれのポイントについて、説明します。
行動項目
行動項目として設定する内容は、KPIに設定した項目と連動するものに限定します。
なぜなら、連動していないと次の2つのデメリットがあるから。
- 管理しても成果につながりにくい
- 管理の工数が膨大になる
単位あたり標準時間
単位当たり標準時間とは、その業務を行うのに1アクション当たり何分かかるか、という時間のこと。
設定時の注意点は、基準を”トップコンサルタント”にしないということ。
目標達成をしているコンサルタントの中央値を取る。
なぜなら、目標値は”頑張れば届きそうな値”であることが精神衛生上重要だから。
トップコンサルタントの標準時間は、下位のメンバーからすれば、非現実的な設定値に映る。
確かに「全員をハイパフォーマーにしたい!」というマネージャーの気持ちもわかります。
しかし、ハイパフォーマーとローパフォーマーには、そもそも2つの違いがある。
- 基礎能力の違い
- 能力特性の違い
だからこそ、”2:6:2の法則”が成り立つ。
2:6:2の法則とは、組織では人のパフォーマンスが上位層20%、中間層60%、下位層20%に分かれるという法則。
標準時間を”中の上”に設定し、60%の中間層をいかに引き上げるかが重要。
予定行動時間
予定行動時間とは、どの行動をどの程度やる予定か、を設計する項目。
ポイントは、スケジュールと連動させること。
なぜなら、スケジュールに落とさなければ、予定を実行できず、絵に描いた餅になってしまうから。
計画をすることよりも、確実に実行されることの方が遥かに重要。
【ステップ2】実績時間の取得
実際にプロセス管理を始めると、ボトルネックとなるのが実績時間の取得。
簡単に言えば”入力作業が面倒で徹底されない”ということがよく起こる。
なぜなら、コンサルタントとしては、成果に直結する業務を優先するから。
これ自体は健全な考え方。
では、どうしたらよいかというと、答えは”データ取得を自動化する”ということ。
具体的には、次の2つ。
- パッケージソフトを導入する
- スケジュール管理ツールを流用する
逆に、マズイのは”プロセス管理のために新たな業務を増やす”ということ。
なぜなら、マネージャーにとっては管理業務が増える。
コンサルタントにとっては報告業務が増える。
そうすると、組織全体の生産性が落ちるから。
パッケージソフト導入の検討
まずは、パッケージソフトの費用対効果を判断していきます。
判断のポイントは、次の4つ。
- 操作性
- 月額費用
- スケジュール管理ツールと連携
- その他の業務(勤怠管理や日報など)と同期できるか
特に、現在使用しているスケジュール管理ツールとパッケージソフトがAPI連携できるかどうかは、大きなポイント。
API連携ができれば、導入はとてもスムーズになる。
なぜなら、スケジュールから工数を自動抽出できるから。
Googleスケジュールを使っていると、多くのソフトがAPI連携しているので、導入はスムーズ。
スケジュール管理ツールの流用
API連携ができないようであれば、スケジュール管理ツールの仕様を変えて、実績時間の把握をしていく。
パッケージソフトを導入しないメリットは次の3つ。
- 導入コストがかからない
- 運用コストが抑えられる
- 移行作業に関する工数がかからない
スケジュール管理ツールの流用のデメリットは、アナログ集計作業が発生すること。
具体的な作業内容としては、次の通り。
- 工数管理シートの項目とスケジュール設定の項目をそろえる
- (機能があれば)各スケジュール項目にカテゴリー設定を行う
- 集計・入力ルール設定する
スケジュールからのデータ集計・入力は、RPAを活用すると効率的。
RPAは、無料のもので十分対応可能な作業レベル。
RPAが使えると、デメリットをカバーできる。
【ステップ3】差異分析
最後に、揃えたデータを元に差異分析をしていく。
具体的には、次の2ステップ。
- 目標に対して未達となっているKPI項目に対しての差異分析
- 目標に対して達成となっているKPI項目に対しての差異分析
未達の差異分析の中でも、特に差異の幅が大きい項目から着手します。
つまり、バケツの底に開いた穴のうち、大きい穴から順番に埋めていくということ。
どのように差を埋めていくかのヒントは、達成しているKPI項目にある。
予定通り水が組めているバケツを見て、なぜうまくいっているのかを考える。
そして、どう穴を埋めていくかを考えるという流れ。
個々のコンサルタントの得意や長所を活かして、不得意や短所を補填できるのがベスト。
なぜなら、本人の仕事のモチベーションも上がるから。
この辺りの個々の指導は、1on1ミーティングにて行っていきます。
ここまで読んだあなたは、次のような疑問を持ちますよね?
管理する内容が細かすぎない?
人材紹介のプロセス管理に強弱を付ける2ステップ
プロセス管理に強弱を付ける方法は、次の2ステップ。
- 差異分析対象を減らしていく
- 管理項目を減らしていく
なぜ強弱をつけていく必要があるのかというと、理由は次の2つ。
- 管理工数の選択と集中
- コンサルタントの自走化
最初に示したプロセス管理は、最も細かい管理手法。
想定としては、1年目のコンサルタントを対象としている。
メリットは、正確に状況分析・把握ができるという点。
一方で、デメリットは、次の2点。
- 自走できるコンサルタントへの管理工数がかかりすぎる
- コンサルタントが自走できるようにならない
ここで、強弱を付ける必要が出てくる。
【ステップ1】 差異分析対象を減らしていく
差異分析対象を減らす基準は、次の2つ。
- 大幅な未達項目がないこと
- 上流工程のKPI項目の達成ができていること
上流工程のKPI項目とは、最終成果(売上)に近いKPI項目のこと。
基準を満たしている場合、徐々に目標と実績のみの確認に留める項目を増やしていく。
つまり、数値のみの確認に留めていく。
言い換えれば、未達要因や達成要因の確認を省いていくということ。
【ステップ2】 管理項目を減らしていく
管理項目を減らしていく具体的内容としては、下流工程の確認を減らしていくということ。
例えば、”テレアポリストの作成”や”商談数”など。
項目自体を徐々に減らしていく。
このように、強弱を付けることによって、次の2つの効果を得られる。
- 未達のメンバーに対する教育に時間を割ける
- 達成しているメンバーは自走していく
まとめ:人材紹介のプロセス管理はマイクロマネジメント+リソースの最適配分がポイント
それでは、今日の内容をまとめていきます。
プロセス管理は、次の3ステップで行う。
- 目標時間の設定
- 実績時間の確認
- 差異分析
プロセス管理に強弱を付ける方法は、次の2ステップ。
- 差異分析対象を減らしていく
- 管理項目を減らしていく
ここまで読んだあなたは、きっとプロセス管理についてのイメージがついてきたはず。
そうすると、KPI設計や1on1ミーティングのやり方についても気になりますよね?
そんなあなたは、こちらも参考にしてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。